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サラリーマンの「経費精算」の実態。24%が不正経験アリ!

コンカー「サラリーマンの経費精算に関する実態調査」発表

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コンカーが「サラリーマンの経費精算に関する実態調査」の結果と考察を発表し、 利益を生まない経費精算に時間を費やす日本のサラリーマンの現状が明らかになった。

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都知事の不祥事も「経費精算」の問題

株式会社コンカー 代表取締役社長 三村真宗 氏

「今回の都知事の問題も、以前の兵庫県の議員の問題も、経費精算の仕組みの問題。事前に不正ができない仕組みがあれば、不祥事も防げるし出来心も起きないはず」

 冒頭にコンカーの三村社長はそう語る。日本企業の生産性、利益率の低さは欧米に劣るばかりか、「破綻したギリシャ以下」なのだという。
 今回、コンカーがおこなった「サラリーマンの経費精算に関する実態調査」によってその実態が明らかになった。年収400万円以上のサラリーマンに対して、オンラインアンケートでおこなった。調査実施はマクロミル社。サンプル数は309。

精算に月平均48分、生涯で52日、「のりづけ」で12日を費やす日本のサラリーマン

 今回の発表によると、日本のサラリーマンの8割が自分で経費精算をおこなっており、そのうち8割弱が経費精算に負担を感じているという。領収書の保管、入力作業、糊付け作業などが原因だ。とりわけ7割が「糊付け」が面倒と感じている。

 また今回の回答者全体平均で、経費精算に月に48分掛かっている。月額精算額上位1%にあたる30万円以上の精算額者では月に175分(約3時間)かかっている。

 また、サラリーマンが生涯で経費精算に費やす時間は平均で52日。月額10万円を超える経費支出をするサラリーマンにおいては丸100日を浪費。人件費に換算すると、一人当たり144万円、同じく月額10万円以上経費支出をするサラリーマンでは279万円のコストに該当する。

サラリーマンの24%が経費の不正使用の経験あり、Excelが不正を助長?

 今回明らかになったのは、サラリーマンの24%が経費の不正使用の経験があるという事実だ。調査によると不正の年齢は30代が最も多いという。
「社会人になったばかりでは勝手がわからず不正は少ないが、仕事をこなし慣れてくる30代で不正は増える。その後の40代以降は、失うものの大きさに反比例して不正率が下がる」(三村社長)
 またExcelを使っている場合の不正発生率は、紙や社内システムに較べて高くなる。これについては、Excelだと簡単にコピーが出来てしまうことが原因として考えられるという。

期待は自動化と今後の規制緩和

 こうした経費精算の現状に対して、ITによる自動化によって削減できる余地は大きい。
 平均48分の精算の時間を分解すると、経費支出情報の入力作業(15.5分)、電車の利用区間の運賃確認(10.8分)、予定表との突合(10.3分)、領収書の糊付け作業(11.5分)となる。コンカーの試算では入力作業、運賃確認、予定表との突合についてはコーポレートカードや交通系ICカード(Suica、PASMOなど)と経費精算クラウドを組み合わせることで半減が可能となる。さらにスマホを組み合わせた規制緩和の対応作業を進めることで全体で83%の時間を削減できるという。

期待は来年からの領収書電子化、改ざん防止が鍵

領収書電子化に関する規制緩和の推移

 さらに今後の規制緩和で最も期待されるのは、スマートフォンによる領収書の電子化が認められることだ。領収書の電子化についてはこれまで段階的に緩和されてきた。それまでは3万円未満のみだった領収書の電子化は、昨年の9月から平成28年9月30日から金額に関わらず認められた。しかし以前は「原稿台付きスキャナー」での電子化という制約があった。それが今年(H28)ようやくスマートフォンやデジカメが認められるようになり、企業の利用が可能になるのが、2017年1月1日からの予定。

 これにともない、領収書の保管や紙の原本の廃棄などルールは大幅に変わることになる。最も今回の規制緩和でも、撮影した画像に対して「認定の事業者のタイムスタンプ付与が必要」であるという条項は変わらないという。

領収書改ざん防止のタイムスタンプの付与、日数制限、領収書への自署などが追加される

「認定のタイムスタンプについては、利用者のコスト高に通じるということもありワーキンググループなどで廃止をお願いしてきたが通らなかった。これについては、画像の修正・改ざんされていないことの証明の必要性だという」と、コンカーで関連省庁などへのロビー活動をおこなってきた、製品統括部部長の船越洋明氏は語った。

 タイムスタンプの実装や第三者による領収書の確認など、今後詳細が確定していく。長らく日本の企業の生産性の障害となっていた経費精算の分野は、今後大きな改善が期待されるだろう。

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