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「サービスデザインのエコシステム」とは顧客と従業員データによる共創──日本企業が抱える3つの課題とは?

第3回

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日本企業のデジタルを活用した「サービスエコシステムデザイン」とは?

 ビービット宮坂氏の記事(第1回第2回)でも紹介していましたが、昨今のビジネスに必要なことは「サービスエコシステムデザイン」であると、私もいろいろな場面で語らせていただいております。

 サービスにおいて必要なことは、顧客や従業員と一体となって永続的に共創し続けること。そのために顧客が活動データをサービス提供企業に“自ら”差し出し、従業員も率先して自身の活動データをナレッジとして提供する。サービス提供企業はそのデータを活用し顧客理解を深め、サービス受容性を検証し、サービス設計にフィードバックする。さらに従業員の活動データを活用し従業員理解を深め、業務プロセス上の課題点を検証し、顧客への提供サービスの品質を改善する。このような社内外を含めたエコシステムの構築がサービスデザインには必須であると考えております。

サービスエコシステムデザイン

 重要となるのが「従業員」ついての理解です。ここで定義している「サービス」とは、アプリなどの単一顧客接点で提供するサービス業態のみをさしているのではありません。たとえば「営業接客」などのリアル接点も含めた「統合的な顧客接点」で価値提供する業態も含めた「サービス」を指しています。

 前回ご紹介した中国企業が提供するサービスは、このエコシステムが機能しています。そして、市場の大きさも相まって膨大な顧客情報を活用した顧客理解やサービス改善を可能としているのではないかと推察されます。

 では日本企業のサービスエコシステムは、どのような状況で課題があるのでしょうか。私は主に三つの課題があると考えています。

 一つ目は「データに振り回された顧客理解」、二つ目は「デジタルに閉じた活用と検証」、三つ目は「プロセス化しない組織の壁」です。それぞれの課題を解説していきましょう。

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この記事の著者

魚住 高志(ウオズミ タカシ)

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