両利きの経営にミドルマネジメントは邪魔なのか
加藤:ここで、日本企業におけるミドルの存在意義についても指摘しておきたいですね。日本では2000年頃から始まった多能化で、マネージャーをやりながらプレイヤーもやるみたいなことになり、ミドルマネージャーの存在意義がわからなくなりました。結果的にみんなの目線が下がり、組織がサイロ化して苦しんでいます。
梅本:その通りですね。最近は「ミドルなんかいらない」「組織をフラットにしよう」という議論が盛んですが、果たしてそんなに簡単な議論なのか。大企業が両利きの経営で進化するには、もともとある機能を包摂して次のステージに向かっていくステップが必要です。ミドルが本来の役割を果たすにはどうすべきか、という観点をセットにして経営をバージョンアップしないと、日本の強みを発揮できる組織に進化することはできないでしょう。