米中の倉庫ロボット最新トレンド
人口世界一の中国は、2013年以降、労働人口が減少に転じています。また、最近ではデリバリー業務やタクシー運転手といった仕事が若年層から人気を集めている一方で、倉庫現場の人手確保はさらに難しくなっています。加えて、中国では地価が上昇し続けているという課題もあります。産業施設の地価はこの10年で50%以上上昇しており、倉庫のオペレーションコストに影響を与えているのです。また、中国ではそれほど物流の標準化が進んでこなかったという実情もあります。物流業界では、オペレーターが違うとまったく異なるオペレーションになってしまうことが多々あります。これは、物流の標準化が行われる前に各社が独自のオペレーションを整備してしまっており、統制が取れていないことが背景にあります。
こういった課題を解決すべく、中国ではTTP(Tote to Person)と呼ばれる、トートを作業員まで届けるタイプの倉庫ロボットや、立体型仕分け機等の倉庫ロボットを導入する物流現場が急増しています。中国EC大手の京東集団(JD.COM)が、倉庫内で行われる荷受、保管、受注管理、ピッキングおよびパッキングの全ての工程をロボットが行い、ほぼ完全な無人化を実現していることは有名です。