SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

Biz/Zineニュース

アクセンチュア、製造業のレジリエンス強化動向と課題・解決策を調査

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket

 アクセンチュアは、最新調査「製造業におけるレジリエンス」を発表した。

 同調査によれば、企業は地域のサプライヤーとの関係や生産施設を増強し、混乱に強い体制の構築に取り組んでいることが明らかになったという。また、2026年までに主要品目のほとんどを地域内のサプライヤーから購入する計画の企業は65%に上り、現在の38%から増加することも判明。加えて、85%の企業が2026年までにほぼ全ての自社製品を同じ地域で生産・販売することを計画しているという(現在は43%)。

 同調査は、不安定な社会情勢において地域内で調達や生産を完結させることが重要であるものの、持続的なレジリエンスを得るには不十分であると解説。企業は、デジタル技術活用の度合い(デジタル成熟度)を高めてデータやAI、デジタルツインなどのソリューションに投資することが肝要だとしている。これにより企業は、不安定な市場動向においても再構成可能な供給網や、自律した生産体制を構築することが可能となり、柔軟で持続可能な製品開発や、製造現場でのリアルタイムな意思決定が可能になると述べられている。

  • 2021年から2022年にかけて、企業はエンジニアリング、供給、生産、オペレーションに支障をきたし、年間1.6兆ドルの収益を逃している
  • 一方で、レジリエンスに優れた企業(25%)の年間売上高は、最も脆弱な企業(25%)よりも3.6%高くなった
[画像クリックで拡大表示]

 アクセンチュア インダストリーX グローバル・エンジニアリング&マニュファクチャリングのリードを務めるセフ・トゥマ(Sef Tuma)氏は、次のように述べている。

「レジリエンスは単に生き残り戦略ではなく成長の機会です。この機会を活かすために、企業はエンジニアリング、供給、生産、オペレーションプロセスのデジタル化を推進すべきです。デジタルツインなどのソリューションや生成AIを始めとするテクノロジーを活用することで、企業は急激な変化に素早く適応し、データに基づいたリアルタイムな対応が可能になります」

 同調査によると、企業は2023年に供給・生産設備のデジタル化、自動化、移転のために平均10億ドルを投資し、2026年にこの額は少なくとも25億ドルに増加すると予想されているという。

 アクセンチュア グローバル・サプライチェーン&オペレーション・レジリエンシーのリードであるスニタ・スリヤナラヤン(Sunita Suryanarayan)氏は、次のように述べている。

「これまで企業は、コスト効率とジャスト・イン・タイムの納品体制を目指してグローバル規模の複雑な生産体制や供給網を構築してきました。大きな混乱の際に短期的な解決策を素早く施した企業も多くありますが、今こそサイロ化などのボトルネックを解決し、マルチソーシング実現のために生産体制や供給網を戦略的に再設計する時です。データとAIを活用して透明性と俊敏性を高め、持続的なレジリエンスを獲得するチャンスが到来しています」

 同調査の一環として、アクセンチュアはエンジニアリング、供給、生産、オペレーションのレジリエンスを0~100の尺度で測定するモデルを開発。その結果、平均スコアはわずか56であったという。

[画像クリックで拡大表示]

 同調査では、企業がレジリエンスを強化するために注力すべき3分野を挙げている。

可視性の向上

 企業はサプライチェーンや生産プロセスをより一層予測可能で自律的にする必要がある。たとえば、サプライチェーンを一気通貫したスマートなコントロール機能でプロセスを監視し、様々なシナリオをリアルタイムで分析することで問題を早期に発見し修正することが可能になる。現在、リアルタイムに近いアラート機能を備える企業はわずか11%で、78%は影響を完全に把握するまでに少なくとも1週間を要している。

設計におけるレジリエンス向上

 初期の開発プロセスから可視化する活動を組み込むことで、企業は製品、プロセス、作業方法を最初から正しく把握することができる。たとえば、製品設計者やエンジニアはデジタルツイン(個々の組み立てラインや機械など物理的な生産設備をデジタル上で再現する技術)を使って、プロトタイプの問題や欠陥を早期に特定して解消し、生産開始前に設計を修正できる。

新しい働き方の推進

 企業は、データ、AIなどのデジタル技術に関する社員のスキルアップを図ることで、予測・視覚化ツールを使い現場でデータ主導の意思決定を行えるようになる。現在、幅広いスキルを持つ人材やデジタルリテラシーを備えた社員を抱える企業は17%で、68%が2026年までにそうした人材を確保する予定だと回答している。

調査方法
  • 調査対象:エンジニアリング、生産、サプライチェーン、オペレーション部門の経営幹部1,230人
  • 調査期間:2023年1月~3月
  • 対象国:日本、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、イタリア、メキシコ、スペイン、スウェーデン、英国、米国
  • 業種:航空宇宙・防衛、自動車(OEM)、自動車(付帯設備・部品)、化学、消費財・サービス、ハイテク、産業機器、金属・鉱業、ライフサイエンス、石油・ガス(上流・下流)、公益事業

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
関連リンク
この記事の著者

BizZine編集部(ビズジンヘンシュウブ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング