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二項対立を超え、未来を構想する

大企業かスタートアップか、飲み込まれるか突破するか──キャリアの二者択一的課題への臨み方

【第1回・後編】ゲスト:ビズリーチWorkTech研究所 所長 友部博教氏

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 前編では、ビズリーチ WorkTech研究所の友部博教所長に対し、デジタル庁のHead of Unit, Fact & Dataである樫田光氏が「管理職かプレイヤーか」「会社員か独立か」という多くのビジネスパーソンがキャリアにおいて課題とする点に関して、考え方を問うた。後編では、大企業とスタートアップそれぞれにおける成長や成果の出し方、従業員エンゲージメントの本質、個人がキャリア自律性を高めるために必要なマインドやデータの活用にまで話題が及んだ。

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大企業かスタートアップか。カギは「育成システム」

樫田光氏(以下、敬称略):「大企業か、スタートアップか」というキャリア上の悩みもよく聞きます。友部さんが入社された頃のDeNAはまさにスタートアップで、新卒で入社しようとしたら親御さんが心配するような感じもあったわけですよね。でも今は、東大生でもスタートアップに就職したがるような時代になっています。また、僕が今働いている行政の世界でも、国家公務員からスタートアップに転職する人もよく見かけるようになっています。この変化をどう感じますか。

友部博教氏 (以下、敬称略):僕はポジティブに見ています。ただ、大企業のいいところも、たくさんあると思います。特に新卒であれば、「大企業か、創業間もないスタートアップか」の二者択一だとしたら、大企業のほうがメリットは大きいケースもあるでしょう。

樫田:どうしてですか。

友部:新卒で、創業間もないスタートアップに就職して活躍したり、その経験に基づき起業したりできる人たちは、基本的に社会に出る前からビジネススキルが高いはずです。そういう方は、どんどん裁量を得て、新しいキャリアの積み方をしていくのだと思います。

 一方で、スタートアップの中には新卒社員にはそんなに大きな裁量はなく、それでいて大企業のような育成システムは整っておらず、成長しづらいケースがあります。その結果、スキルが身につかなかったり、逆にストレッチしすぎた目標を与えられて耐えられなくなったりするというリスクもあります。

樫田:社会人として少しひねくれた育ち方をしてしまう可能性がありそうですね。

友部:そう考えると、大企業の育成システムは、現代でもとても価値があるんです。

 ただ、です。これから雇用の流動性が高まっていって転職が当たり前になってくると、この状況は変わってくる可能性もあります。せっかく手間を掛けて育成プログラムを組んでも、3年で辞められたら、企業にとっては育成のコストが回収できなくなってしまいます。

樫田:大企業が丁寧な育成システムを維持するメリットがなくなるんですね。

友部:そうなると、育成の場所が会社ではなく大学になっていくことも考えられます。特定の大学が特定のスキルの育成に強くなって、そこから一流企業に入るとか、スタートアップに就職するといったルートが出てきてもおかしくないと思いますね。

樫田:なるほど、面白いですね。

友部:ただ、今の時点では、大企業で経験を積むことによって様々な成長機会があると思います。ステップアップできるような仕組みが大企業にはありますから。逆に、自分でジャンプできる人にとってはスタートアップのほうが圧倒的に早く成長できるでしょうね。

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やつづかえり(ヤツヅカエリ)

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