IBMは米国時間1月11日、消費財・小売業界の企業向けのサプライチェーン、財務業務、販売やサービスの強化を支援する生成AIを活用したソリューション開発において、SAPと協業することを発表した。

　両社は、テクノロジーに関する専門知識を共有しており、ビジネスに特化したAIとデータのプラットフォームである「IBM watsonx」とAIアシスタント製品のSAPソリューションへの組み込みを完了。IBM Consultingは、SAPとの協業のもと、店舗直送のビジネス・プロセスや商品ポートフォリオ管理の複雑性に対処することに重点を置いた生成AIおよび従来型AIを活用した新しいソリューションを開発するとしている。

　既にIBM ConsultingとSAPは、世界中の消費財業界の顧客と協力し、SAP Direct Distributionソリューションと統合可能なAIソリューションを構築するための詳細な要件を収集。開発予定のソリューションは、消費財企業、卸売業者、小売業者が、以下を通じて店舗レベルの品揃えを効率的に管理し、商品流通を改善して収益増加を促進することを目的にしているという。

• 輸送計画と運行の強化：SAP Direct Distributionソリューションに天候、交通、地域イベントなどの外部データを送り、AIを適用して消費財企業が最適な店舗配送ルートを特定。情報はリアルタイムで更新され、その情報をもとにドライバーは地域の状況に応じて配送ルートを変更可能
• 店舗レベルでの品揃えの最適化：各店舗の市場動向、過去の販売パターン、需要予測や現在の商品構成に基づいて店舗レベルで品揃えができるように、AIおよび生成AIの適用を計画。売上最大化と商品廃棄最小化に向け、店舗の品揃えに十分な商品を追加するための事前計画なども含まれる
• 注文決済の自動化：自動化とインテリジェント・ワークフローを使用して業務効率を向上。SAP Direct Distributionのラスト・ワン・マイル配送コンポーネントのAIに基づいて決済精度の向上を支援するソリューションを開発