米国は日本経済を牽制する一方、日本的経営の良いところを取り入れた
続いて、日本と米国の半導体競争に話が及んだ。岩尾氏は、タフツ大学准教授 クリス・ミラーの著書『半導体戦争』(ダイヤモンド社)の中から一部を紹介した。
本書の第20章の中では、1989年に出版された盛田昭夫と石原慎太郎の『「NO」と言える日本』(光文社)の内容に触れている。同書では、「世界の半導体市場における優位を確立した日本は、その影響力を用いて米国へ『NO』と言えるようになるべきだ」と述べられている。事実、当時の半導体製造分野においては(最終製品、製造装置、材料全てにおいて)、日本がシェアの7割超を占めていた。