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日比谷アメニス、木質バイオマス乾燥・保管シートの効果を実証

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 日比谷アメニスは、屋外で木質バイオマス燃料の乾燥・保管を可能にするシート「Toptex」について、『林野庁林業成長産業化総合対策補助金等「地域内エコシステム」技術開発・実証事業』に採択され、2021年度から2023年度の3年間にかけて実証を行い、木質バイオマスの乾燥・保管効果を実施した。

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主な実証結果

(1)Toptexをかけた場合とかけない場合の比較

 約4~5ヵ月後の含水率の変化を比較すると、Toptexを使用したチップは含水率の減少がみられたが、シートをかけていないチップは含水率が2倍以上に上昇。

 ※含水率(乾量基準含水率)=(乾燥前重量-乾燥後重量)×100/乾燥後重量

(2)Toptexをかけた場合とブルーシートをかけた場合の比較

 Toptexをかけたチップは約2ヵ月間で含水率が-45.2%と減少し、ブルーシートをかけたチップは-26.5%と減少したことから、Toptexを用いた場合の方が大きな乾燥度合いを確認。また、Toptexではチップ山の内部で全体的によく乾燥している傾向にある一方、ブルーシートでは湿気がこもり、上部で含水率の増加が見られた。

 さらに、チップが持つエネルギー量を見ると、Toptexをかけたチップはエネルギー量の増加がみられる一方、ブルーシートをかけたチップはエネルギー量が減少していたという。

Toptexとブルーシートをかけたチップの比較1[画像クリックで拡大]
Toptexとブルーシートをかけたチップの比較1
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Toptexとブルーシートをかけたチップの比較2[画像クリックで拡大]
Toptexとブルーシートをかけたチップの比較2
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(3)Toptexを用いた乾燥に最適な対象物

 木の部位によって乾燥度合いに違いが出るかを確かめるため、全幹、全木、枝条それぞれのチップ山を作り、約5ヵ月間Toptexによる乾燥を実施。

 結果として、より多くの枝条分を含むチップ山は発酵熱による内部の温度上昇がみられるとともに、乾燥度合いが大きいことが確認できたという。

木の部位による乾燥度合いの比較[画像クリックで拡大]
木の部位による乾燥度合いの比較
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(4)Toptexの防水性

 防水性の確認のため、降雨試験を実施。Toptexはシートに角度をつけることで降雨の浸透を防ぎ、25mm前後の降雨量で、15°の角度をつけると94%、30°で96%、45°で98%の排水率を確認した。

 以上から、Toptexは降雨を防ぎ湿気を逃がすことで「保管」を可能にするとともに、発酵による「乾燥」をしながらエネルギー量を増加させる効果があり、木質チップの品質を向上させるという。また、Toptexは枝条分を含むチップの乾燥に適しており、公園の剪定枝や林地残材などをチップ化し、Toptexによる乾燥を行うことで、未利用の木質資源を高価値化することにつながるという。

Toptexの詳細

 透湿防水性のシートであり、木質チップの乾燥や丸太、PKSなどの保管に適している。対象物に傾斜を持たせて堆積し、Toptexを布設。シートはハサミで適当な長さにカット可能。補修・延長用テープを利用することで、複数のシートをつないで使用することも可能としている。

Toptexの表面[画像クリックで拡大]
Toptexの表面
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Toptexの荷姿[画像クリックで拡大]
Toptexの荷姿
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  • 原料     :耐紫外線ポリプロピレン
  • シート寸法  :50m×6m(=300 m2)
  • 引張強度   :12.5kN/m
  • 製品重量   :200gr/m2
  • 耐久年数   :約5年
  • 出荷について :ロール状で配送、納期1~2週間

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BizZine編集部(ビズジンヘンシュウブ)

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