「デザインテクノロジスト」の登場、デザインファームの買収―世界最先端のデザインの潮流

DESIGN for Innovation 2016 セミナーレポート Vol.1

 「デザインの力が未来を創り出す」をテーマとしたイベント「DESIGN for Innovation 2016」がbtraxの主催により5月17日に開催された。当日開催されたセッション「Startups and Design: 企業が求めるサンフランシスコ/シリコンバレーでの最新デザイン事例」には、デザインファーム「DesignStudio」CEO ジョン・クレソン氏、米国の銀行「Capital One」のデザイン主任ジェイソン・デペロ氏が登壇、イベントを主催するbtrax CEO ブランドン・K・ヒル氏がモデレーターをつとめた。
 「デザイン」の最先端であるサンフランシスコやシリコンバレーでは今なにが起きているのか。IDEO登場以降の歴史を振り返りつつ、「Capital One」によるデザインファーム「Adaptive Path」買収の理由や、「デザインテクノロジスト」の登場まで、サンフランシスコやシリコンバレーでの最先端事例を紹介していく。

[公開日]

[講演者] ジョン・クレソン ジェイソン・デペロ Brandon K. Hill [取材・構成] 岡田 弘太郎 [編] 栗原 茂(Biz/Zine編集部)

[タグ] タレントマネジメント デザイン思考 データ・アナリティクス ベンチャー IDEO

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DesignStudioはいかにしてAirbnbをリブランディングしたか

 最初に登壇したのは、サンフランシスコとロンドンにオフィスを構えるデザインファーム「DesignStudio」CEO ジョン・クレソン氏。DesignStudioはクリエイティブパートナーとしてTwitter、Microsoft、Adobe、そしてAirbnbなどの企業を支援している。

Design Studio CEOジョン・クレソン氏(DesignStudio CEO)

 ジョン氏は2014年にAirbnbとともに行ったリブランディングの事例を紹介。協業を始めた当時は、Airbnbのサービスは一般層に広まる前の段階で、ブランドの価値を次のレベルまで成長させる必要があった

 では、具体的に何を行ったのか。DesignStudioのデザイナーたちは世界中のAirbnbで提供されている宿に泊まり、様々なデータや意見を収集し、その国の特性や住んでいる人と場所の関係性を分析した。集めたデータを活用し、ロゴやブランド・ミッションを中心に、Airbnbのほぼ全てのデザインをリニューアルした。

 Airbnbの再定義されたミッションは「どこにいても、自分の居場所があると感じてもらうこと」それを表現するために「Belo」と呼ばれる新しいロゴの作成や、ウェブサイトのリニューアル、そして社内向けのブランディングを行った。

Airbnbのリブランディング

当時のシリコンバレーのトレンドはロゴを青色にすること。Airbnbのロゴも青色でしたが、「Belo」と呼ばれる新しいロゴに変更し、「人々、場所、愛、そしてAirbnb」の4つの意味を込めたんです。人々とつながっていたい、シェアしたい、受け入れてもらいたい、そして安心感を得たいという欲求を「Belo」に反映させ、それをどんな国にいても叶えてくれるサービスとして、Airbnbのブランドを再構築しました。

 「Airbnbが目指すものはただの旅行ではない、どこに行っても居場所がある」そんな世界観をつくり出すことに、Airbnbは成功したのだ。

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