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キリングループの事業ポートフォリオ変革を支えるFP&A──コーポレートと事業会社の「戦略対話」とは?
日本企業においてFP&A(Financial Planning & Analysis)の導入や、経営企画と財務部門の連携強化が進む中、先進的な取り組みで注目されるのがキリンホールディングスである。同社は従来の固定的な中期経営計画(中計)を事実上廃止し、長期視点に基づく「計画ローリング」へと移行した。財務戦略部と経営企画部が一体となって密に連携し、コーポレートと事業会社の「戦略対話」を通じて事業価値の最大化を図るその手法は、激変する市場環境での企業経営の新たな解として示唆に富んでいる。本取材では、キリンホールディングス 財務戦略部長の松尾英史氏、経営企画部 主査の勝田龍介氏に、ストラットコンサルティング 代表・FP&Aアドバイザーの池側千絵氏がインタビューを行った。固定的な計画からアジャイルな予測への転換、事業会社との対話プロセス、そして「Analysis(分析)」だけでなく「Action(行動)」までを担うFP&A人財の育成まで、キリンが推進する経営管理変革の全貌に迫る。
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FP&Aは戦略(ポエム)と経理財務(算数)を接合する翻訳家。鍵は価値創造フレームワークという設計図
2023年の東京証券取引所によるPBR(株価純資産倍率)の改善要請以降、日本企業における企業価値向上の機運が高まり、リスクを恐れず果敢な経営判断を下すための「羅針盤」として、FP&A(Financial Planning & Analysis)が注目を集めている。しかし、その役割や具体的な機能は、まだ広く理解されているとは言いにくい状況だ。長年にわたりFP&Aの実務に携わり、現在はFP&Aエヴァンジェリストとして活動する鷲巣大輔氏は、その本質を「企業価値を最大化するための意思決定の質を高める存在」だと語る。本稿では、鷲巣氏にFP&Aの具体的な役割、監訳を務めた書籍の活用法、そして日本企業がFP&Aを機能させるための鍵をインタビューした。
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「日本版FP&A」が日本企業の経営管理を進化させる 池側千絵氏と語る、導入パターンと変革を阻む壁とは
日本企業において「FP&A(Financial Planning & Analysis)」への注目が集まっている。欧米企業ではCFO直下で経営戦略と財務数値を統合し、意思決定を支援するこの機能が、なぜ日本で求められているのか。日本には伝統的に「経営企画」や「経理財務」という別々の組織が存在し、欧米のベストプラクティスをそのまま持ち込むだけでは機能しない現実もある。本連載では、日本企業におけるFP&A導入のリアルに迫る。今回は、日本CFO協会認定FP&Aアドバイザーであり、『【実践】日本版FP&A』の著者でもある池側千絵氏に、日本特有の組織構造に適応した導入パターンと、抵抗勢力などの壁の乗り越え方について聞いた。
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事業計画とは検証と学習により作り直すもの──木村義弘氏が語る「収益構造の分解」によるPDCAサイクル
多くの企業の経営企画部門にとって、事業計画と実行の乖離(かいり)は深刻な課題だ。この課題に対して、実践的なヒントを提示したのがプロフィナンス CEO 木村義弘氏の著書『事業計画の極意』(中央経済社・2024年12月)である。本書は発売から1年足らずで15刷のベストセラーとなり注目を集めている。この本が経営層や実務家に受け入れられている背景は、単なる「事業計画の書き方」だけでなく、「いかにして事業計画を“実行”につなげるか」という本質的な問いへの解を示しているからだ。Biz/Zineでは11月14日に開催された同書の出版記念セミナーを取材。約50名の受講者を前に、木村氏が実務経験を経てたどり着いた「事業計画の策定の本質」と、それを推進した先にある「日本経済復興のシナリオ」が語られた。
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CFO不在の日本企業にFP&Aは根付くのか? 導入の壁を超えるヒント
FP&A(Financial Planning & Analysis)は、経営戦略と現場の実行を橋渡しし、精度の高い予実管理や迅速な意思決定を支える機能だ。しかし、日本企業では組織文化や部門間の壁を理由に導入・定着がそれほど進んでいない。予算管理システムを提供するDIGGLEの主催イベント「CONX 2025」では、FP&Aの専門家と豊富な現場経験を持つ担当者が登壇。FP&Aを組織に根付かせるための仕組み設計と、体制構築の実践例を共有した。本稿ではその内容をレポートする。
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日本版FP&A導入を成功させる「6ステップ」──経営企画や経理財務の“キャリア迷子”を救う指針とは?
前編では、FP&Aが目指す真の目的が「企業価値」の向上にあること、そして日本企業には1950年代にまで遡る「経営企画と経理・財務」「本社と事業部」という特有の「壁」がFP&Aの導入を阻んでいることを明らかにした。後編では、この壁を乗り越えるための現実的なアプローチとして、池側千絵氏が提唱する「日本版FP&A」に着目。日本独自の3つの特徴、FP&A導入を成功に導くための具体的な「6つのステップ」を、池側氏自身が詳細に解説。さらに、石橋善一郎氏による「FP&Aプロフェッショナル人材」の育成方法などに関して、第一人者が議論を重ねた。
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FP&A導入の最大の目的とは何か──導入を阻む「二つの壁」、本社経営企画が果たすべき「真の役割」とは
経営環境の不確実性が増すなか、データに基づく「予測」を軸に経営の意思決定を支援する「FP&A(Financial Planning & Analysis)」への注目が急速に高まっている。しかし、FP&Aが目指す本質的な目的は、日本ではまだ十分に理解されていない。さらに、日本企業には「二つの壁」という欧米企業にはない特有の組織課題が存在し、FP&A導入の障壁となっている。本取材は、FP&A研究の第一人者である日本CFO協会の石橋善一郎氏と、導入支援の専門家である池側千絵氏へBiz/Zine編集部栗原がインタビュー。前編では、FP&A研究の第一人者である日本CFO協会の石橋善一郎氏を中心に、今なぜFP&Aが必要なのか、その本質と日本企業が直面する「二つの壁」の正体について詳しく伺った。
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企業分析と事業計画をビジネスパーソンが学ぶ意味──初心者が苦手意識を克服し、共に闘うための地図とは
新規事業の創出や企業変革が求められる現代。その成否は、アイデアの斬新さだけで決まるわけではない。描いた未来を具体的な数字に落とし込む「事業計画」と、その結果を正しく読み解く「企業分析」。一見すると専門的で、自分には関係ないと感じるビジネスパーソンも多いだろう。『事業計画の極意』の木村義弘氏と『決算分析の地図』の村上茂久氏は、これらを「未来を書く(ライティング)」と「現在を読む(リーディング)」活動であり、ビジネスの両輪だと語る。本記事では、両氏への取材を通じ、計画と分析が「仮説と検証」という1つのサイクルでつながっていることを解き明かす。非財務・非経理パーソンが「ファイナンスは難しい」という苦手意識を克服し、自らの仕事が決算書にどう反映されるかを具体的にイメージできるようになるための思考法を届けたい。
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正体は経営陣の“外部脳” 初任者が知っておきたい経営企画の真の役割
企業の中枢に位置しながらも、実態が見えにくい謎の部署──経営企画部門は他部署の担当者からそう思われているのではないでしょうか。経営企画部門に所属する当事者の中にも、真の役割を理解できている人はそれほど多くありません。本連載では、大企業の経営企画部門で経験を積み、現在はDIGGLEでバックオフィスを統括する冨田貴大氏が、実務に役立つ経営企画の基本を解説。第一回では「経営企画とは何者か」という根本的な問いに答えます。
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実践者が語った、経営企画の本当の役割──「データとロジック」と「物語と情熱」で組織を動かす存在とは
経営の意思はなぜ現場に正しく伝わらないのか、そして現場のリアルな声はなぜ経営判断に活かされないのか。企業規模の大小を問わず、多くの組織が抱えるこの根深い断絶は成長の足枷となり、時には深刻な経営課題へと発展する。この普遍的な課題に対し、スタートアップのCOOと大企業の経営企画担当者という対照的な立場のエキスパートが、実践的な解を語り合った。本稿は、クラウド予算管理システムを提供するDIGGLE主催のイベント「Connect to Transform Conference 2025」でのセッション「『決める』を動かす 良い意思決定を支える経営企画の役割」の詳報である。単なる数字の番人ではない、組織を動かすストーリーテラーとしての経営企画の在り方とは何か。現場のリアルを経営の意思決定につなげるための、具体的かつ実践的な議論の核心に迫る。
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日清食品HD経営管理部 部長と一橋大学・青木教授が語る、戦略の実行不全を回避する「自走する組織」とは
多くの企業の「練り上げたはずの経営戦略」が、現場で実行されずに形骸化してしまう。この「戦略と実行の分断」という根深い課題に、アカデミアの視点と実践の現場から光を当てるセッションがDIGGLE主催のイベント「Connect to Transform Conference 2025」で実施された。登壇したのは、会計学の専門家である一橋大学大学院の青木康晴教授と、パナソニックでの海外事業やPMI(合併後の統合プロセス)を経て、現在、日清食品ホールディングスで経営管理の舵取りを担う香川良太氏。DIGGLE社の橋本和徳氏をモデレーターに、「戦略を成果に 実行を加速させる仕組み化と、現場が動き出すマネジメント」をテーマに、理論と実践知が交差する白熱した議論が展開された。本稿ではその模様を詳報する。
特集
AI時代の経営管理
ヒト・モノ・カネ・情報などの経営資源を効率的かつ効果的に活用し、事業活動を計画・実行・評価・改善していく営み──それが経営管理業務です。昨今はAIをはじめとするテクノロジーの台頭により、経営管理業務の高度化が進んでいます。本特集では「経営管理DX」をテーマに、最新のテクノロジーや各社の事例などを取り上げます。
