小さくても偉大な企業「スモール・ジャイアンツ」が台頭する時代

ダイナ・サーチ 石塚しのぶ氏 × ダイヤモンドメディア 武井浩三氏 対談第2回

 8年前からホラクラシー的経営を実践してきたダイヤモンドメディア株式会社の武井浩三代表取締役がこれからの経営について様々な方と語り合う本シリーズ。前編に続き、米ザッポス等の経営を研究し「コア・バリュー」経営を提唱する石塚しのぶ氏(ダイナ・サーチ代表)との対話の様子をお伝えする。(前編はこちら

[公開日]

[語り手] 石塚しのぶ [聞] 武井 浩三 [取材・構成] やつづかえり [編] 栗原 茂(Biz/Zine編集部)

[タグ] ワークスタイル 企業戦略 ホラクラシ― 全員参加経営 コアバリュー

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「コア・バリュー」は新たに作るのではなく、埋もれているもの

武井(ダイヤモンドメディア株式会社 代表取締役 共同創業者):
 会社というものは、ビジネスをしている限りは何らかの価値を世の中に与えていると思うので、僕にとってコア・バリューというのは、“新たに作るというよりは、埋もれているもの”というイメージなんです。それをどうやって掘り起こしていくか、邪魔なものをどう削ぎ落としていくかということが、これからの世の中には必要なんじゃないかと思います。

 我々が作ってきた意思決定や経営オペレーションのシステムというのは、それを行う上で効果的かもしれません。というのも、意思決定の時に各自の原則を持ち寄らないと進まないしくみを作っているからです。例えば給料の決め方にはルールがあるのではなく、半期に1度、みんなで話し合って決めます。このときにお互いの原則を持ち寄ることになるんですね。自分では良い原則だと思い込んでいても、実は個人のエゴだったということは誰しもありますから、仕事の中でそれを持ち寄ってぶつけ合っていくことで、最終的には本質的に良いもの、経済合理性に合うものが淘汰されて残るんです。世の中の企業も、このプロセスを抜きにして、いきなり「うちの原則はこれだ」と言ってもうまくいかないのではないでしょうか。

石塚(Dyna-Search, Inc. 代表):
 ええ。ほとんどの会社では、明らかにはなっていないにしても創設者自身が抱いている原則があるものです。でも、原則ベースでやると決めたら、社内の大多数の人にそれが理解されないといけませんので、例えばスタッフに対して、「私はこういう価値観でやっていきたいと思うけど、意見はありますか」などと聞くといった、民主的なプロセスを経ないといけませんよね。そしてみんなからの共感を得て初めて意味をなすので、コア・バリュー経営というのはとても時間がかかるものなのです。

 それと、コア・バリュー経営にしてもホラクラシーにしても、第一にやらないといけないのは経営者の意識革新で、そこが非常に難しいところです。それまでルールベースでやってきたCEOが僕のセミナーに来て、「素晴らしい。これからは原則ベースにしよう」と考えたとして、それを今までどおり部下に押し付けるのであれば意味がありませんからね。

バックナンバー