“データ-ドリブン”が陥る落とし穴とは何か――RESASに触れる前にすべきこと

第4部:RESASを活用したデータ活用実況中継(第2回)

 新潟県燕市と弥彦村の自治体横断「データ活用課題解決プロジェクト」は、計8名のメンバーで開始された。“データを活用して課題解決”というと、多くの人は関連するデータをどんどん集め、それらを整理して眺めながら問題の所在や解決の糸口を見つけようとするのではないだろうか。ところが、このアプローチは(特にデータ活用入門者にとって)ほとんどうまくいかない。では、何よりも最初にすべきこととはどんなことなのだろうか?

[公開日]

[著] 柏木 吉基

[タグ] データ・アナリティクス ビジネススキル 地域創生 RESAS

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“データ-ドリブン”が陥る最初の落とし穴がこれだ!

 第一回の討議では敢えてデータそのものには触れず、「課題の定義」から開始した。

 データ活用の現場で失敗、遠回りする多くのケースでは、いきなりデータを集めたり、加工・分析したりすることから始めてしまう。結果的にそのアプローチではその後のプロセスが発散して非効率になるばかりか、結論も曖昧になってしまいがちだ。その原因の一つは最初の入口でしっかりと「明確にしておくべき」ことがらをそのままにして発進してしまうことにある。

 今回チームに与えられたテーマは、「地場産業を活性化するには」ということをデータ用いて論じることであった。ここで「明確にしておくべき」こととは次の2つだ。

  • 地場産業の定義や範囲は?
  • “活性化している”とは具体的にどういう状態で、どう測れるのか?

 いずれも、この“課題の具体化”をないがしろにしたまま進むと、人によって定義や理解が異なるため、集めるデータも目指すゴールもぶれたままになる。無駄な作業と噛み合わない議論が続き、筋が通っていないために最終的な提案の説得力もガクンと落ちる。いくらRESASが優れていようと、データが素晴らしくとも、質の高い最終結論は望めない。

 この場でも地元の人間であるメンバーに「地場産業って?」と聞くと、誰もが「金属製品」を思い浮かべる。ところが、「その根拠は?」と言われると、回答できなかったり人によって違っていたりもする。更に、「では上位3つの地場産業を挙げて」と聞かれると恐らく固まってしまったであろう。このまま開始すれば、課題解決の入口が既に“100%主観”であり、その後いくら客観的な分析作業を行っても、結論は「主観のベース」を超えられず、説得力が生まれないのだ。

 RESASの情報に触れるのはまだまだ先だ。

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