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金融変革時代のふくおかFGとiBankマーケティングの挑戦

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人口減少と高齢化の進展、低金利環境の継続といった厳しいマクロ環境にある地方銀行は岐路に立たされている。福岡に本拠地を置くふくおかフィナンシャルグループは、九州を地盤とする福岡銀行、熊本銀行、親和銀行の3行を傘下に持つ広域展開型金融グループだ。2016年4月、同行は “新しいマネーサービス”として金融サービスプラットフォーム『iBank』を立ち上げ、iBankマーケティング株式会社をグループ会社とした。なぜ、同行は金融変革時代に「攻め」の事業展開を進めるのか。今回は、ふくおかフィナンシャルグループ 営業戦略部 部長代理兼iBankマーケティング社長 永吉健一氏にお話を伺った。

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ふくおかFGが自らFinTechに乗り出した理由とは

ふくおかフィナンシャルグループ 営業戦略部 部長代理兼iBankマーケティング社長 永吉健一氏

ふくおかフィナンシャルグループ(以下、ふくおかFG)は、「攻め」の姿勢で“お客様起点のサービスイノベーション”に取り組んでいる。“新しいマネーサービス”として金融サービスプラットフォーム『iBank』を立ち上げ、自らFinTechに乗り出し、金融変革時代の次の10年への挑戦を掲げた。

ーー ふくおかFGは、次の10年を変革期と捉えているそうですが、具体的にはどういった課題に対して新規事業を立ち上げたのでしょうか?

永吉氏:ふくおかFGは、第5次中期経営計画からスタートする “次の10年間” を新たな「進化のステージ」と位置付けています。金利環境だけでなく、少子高齢化の進展・人口減少社会の到来によって縮小するマーケットに対応するには、いかに新しいビジネスモデルを描き、新規顧客を獲得していくかという点が大きな課題です。また、情報・金融テクノロジーの劇的な進化にも対応しなければなりません。

我々が置かれている環境を踏まえて、既存の金融機関の延長線上にあるコア事業の拡大だけではなく、これまでとは異なる非連続なアプローチからの新しい取り組みにもチャレンジする必要があると考えました。そこで3年前、経営企画部門に「経営戦略グループ」を新設しました。コア事業を面で拡張していくようなオーガニックな戦略と、デジタルを駆使したエリアを問わないノンオーガニックな成長戦略をそれぞれ模索することからスタートしました。

昨年の8月には、デジタルを活用した成長戦略の下絵がある程度描けたので、「経営戦略グループ」を営業企画部門の「事業開発グループ」に移し、ICTを活用した新たなビジネスの開発とそれらの実現に向けて着手しました。その後、今年の4月に同部門「新規事業推進グループ」に陣容を拡充。同時に、iBankマーケティング株式会社を設立し、金融サービスプラットフォーム『iBank』を立ち上げました。

ーー 銀行グループとして自らFinTechに乗り出した理由は?

永吉氏:国内では昨年以降、急速に関心を集めてバズワード化したFinTechですが、その背景には金融サービスの技術進歩と顧客(ユーザー)の期待度が乖離しすぎていることがあるのでは、と考えています。これまでは、銀行のサービス水準と顧客ニーズは近接していましたが、現在では情報量の増加によって顧客のリテラシーが向上したことで、顧客ニーズの多様化が急拡大する事態になっています。その結果、従来のサービス水準と顧客ニーズに大きなギャップが生じてしまいました。そのギャップをビジネスチャンスと捉えて、新規参入する企業やサービスが次々と誕生したことがFinTechの発展の要因です。

iBank構想がスタートした頃を振り返ると、FinTechという言葉は全く注目されていませんでした。もちろん、FinTechに参入するためにプロジェクトを立ち上げた訳でもありません。金融機関を取り巻く環境が劇的に変化する中でどうやって生き残っていくのかを考え抜いた結果、顧客ニーズに応える一つの手段としてデジタルテクノロジーに着目し、スマートフォンを活用した身近なマネーサービス『Wallet+』や、消費や貯蓄目的が「見つかる」オウンドメディア『mymo/mymo+』などが誕生しました。

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「顧客起点」×「構造改革」から始まった『iBank』

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小松里紗(コマツリサ)

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