IBM、日立、パナソニック、富士通のUXリーダーが語った、「デザイン思考」による組織変革とは?

ソシオメディアUX戦略フォーラム セミナーレポートvol.2

 2017年4月26日、ソシオメディア株式会社主催のイベント「UX戦略フォーラム2017 エクスペリエンスリーダーの現在」が開催された。本稿では、「エクスペリエンス推進リーダーの現在 ― 日米UXリーダーの邂逅 ―」と題したセッションの模様をお届けする。登壇者はIBM Design ゼネラル・マネジャーのフィル・ギルバート氏、株式会社日立製作所 東京社会イノベーション協創センタ長の北川央樹氏、パナソニック株式会社 Wonder LAB Osaka運営担当の青山昇一氏、富士通デザイン株式会社 代表取締役の上田義弘氏の4名。モデレーターはソシオメディア株式会社 代表取締役の篠原稔和氏。

[公開日]

[講演者] フィル・ギルバート 北川 央樹 青山 昇一 上田 義弘 [取材・構成] 新國 翔大 [編] 栗原 茂(Biz/Zine編集部)

[タグ] デザイン思考 事業開発 UI UX UD

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エクスペリエンス主導の組織へと変革させるために、UXリーダーに必要なスキルとは?

 デザイン思考の重要性が高まりつつある昨今。企業をユーザー体験(ユーザーが製品やサービスを通じて得られる体験、以下UX)主導の組織へと変革させていくためには、UXリーダーの存在が欠かせない。実際、IBM、日立、パナソニック、富士通はUXリーダーを中心にデザイン思考の必要性を説いていくことにより、UX主導で製品、サービス開発を行う組織に変えていった。

 デザイン思考を組織に浸透させていくために、UXリーダーに必要なスキルとは一体、何なのだろうか? パネルディスカッションの冒頭、各登壇者が持論を展開した。

経営層と対話し、説得するために大切な「ストーリーテーリング」

 まず、口火を切ったのは株式会社日立製作所 東京社会イノベーション協創センタ長の北川央樹氏だ。同氏は、経営課題を発見し、協創によって迅速にその課題を解決するIoTプラットフォーム「Lumada」の事業開発を牽引し、UX主導のサービス開発を日立の社内に浸透させていった。

北川:組織をUX主導に変革させていくためには、いかにデザイン思考やUXを社内に浸透させるか、が重要です。そのためには、まず経営層にデザインの価値を伝え、理解してもらわなければなりません。そういう意味では、UXリーダーに必要なスキルは「ストーリーテーリング」だと思います。

 組織の規模が10名ほどのスタートアップであれば、組織を変革していくことは難しくない。自然とデザイン思考も浸透していくだろう。しかし、大企業は全く状況が異なる。誰か一人が声を挙げても組織は一向に変わっていかないし、少数派の意見として見向きもされない。だからこそ、北川氏は経営層の考え方を変えることから始めるのが良いと説く。

 そして、経営層の考え方を変えるときに必要となるのが「ストーリーテーリング」だ。経営層に合理的な説明をしても考え方は変わらない。大切なのは、デザイン思考を取り入れることで会社はどう変わり、どんなメリットがあるのか。それを語ることだ。そうした場合にストーリーテーリングは非常に役立つ。

北川:経営層にデザインの価値を伝え、理解してもらうことができたら、あとは結果を出すことが大事です。デザイン思考やUXを、売上や収益に直結させるための具体的なアクションをとっていく必要があると思います。

北川央樹北川央樹氏(株式会社日立製作所 東京社会イノベーション協創センタ長)
1992年千葉大学大学院工学研究科修了(工業意匠)、 同年(株)日立製作所入社。デザイン研究所にて金融機関や通信キャリア、官公庁におけるインターネットサービスの要件定義、UX設計に従事。2009年に情報・通信システム社にて人間中心設計と業務コンサル手法を組み合わせたシステム開発超上流開発手法エクスペリエンス指向アプローチ(Exアプローチ)を体系化、SI事業へUXの浸透を推進。その後、技術戦略室を経て、2016年 サービス&プラットフォームビジネスユニットにてIoTプラットフォーム「Lumada」の事業開発に従事。2017年4月より、研究開発グループ 東京社会イノベーション協創センタ センタ長。

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