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Googleで生まれた「スプリント」――新規事業のリスクを減らし組織で学習する方法

GV デザインパートナー / 「スプリント」の生みの親 ジェイク・ナップ氏 講演レポート

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 「スプリント」は、Gmail や Google Chromeなど様々なサービスの新規開発や改良に使われ、グーグル社内で浸透した後、ベンチャーキャピタルのGV(旧グーグル・ベンチャーズ)に取り入れられ、Slackやブルーボトルコーヒーなど100以上のスタートアップが実践する開発プロセスだ。その生みの親で元GVのデザインパートナーで、先日、IDEO客員研究員就任の発表があったジェイク・ナップ氏が来日した。当メディアでの連載も好評な池見氏が代表を務める株式会社groovesの主催にて、ジェイク・ナップ氏による講演とスプリントを体験するワークショップが開催された。ここでは、氏の講演の内容をお届けする。

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“やってみないとわからない”新規事業で、短期集中型で多くを学ぶ「スプリント」が必要となる理由

 どんな商品・サービスにも競合企業はあり、ちょっとしたアイデアの差が成功と失敗を分ける。だから事前に様々なアイデアが検討されるが、結局のところ、成功するかどうかはやってみなければ分からない――、ナップ氏はスタートアップの経営者や事業開発担当者が直面する問題を挙げ、それが「スプリント」を生み出した理由だと語った。

アイデアによってビッグビジネスになるものもあれば、まったく無駄なものや、弊害を生むものもあります。サービスや商品の選択を誤ったがために、ときには破綻する会社だってありますね。お客さんが怒ったり無関心になったりして商品やサービスを買ってくれなくなることもあります。しかし、どういうもので勝てるのか、どういうものだと失敗してしまうのか、考えても、それは分からないことです。

 多くの会社は、まずはひとつ「最良のもの」だと思えるアイデアを選択し、開発期間を経て市場に出し、顧客の反応を見て次の行動を決めるというサイクルを回そうとしている。しかし、ナップ氏によれば、それは時間がかかりすぎる方法だ。

 そこで、同じサイクルをぐっと短縮し、1週間でやり遂げようというのがスプリントである。特徴は、本物の商品やサービスをローンチする代わりに“本物らしい”試作品を作る、大量のデータを得て定量的に分析する代わりに5人のユーザーインタビューで顧客の反応を見るという2点にある。

この2つのパーツを変えるだけで、早い段階で、(結果が読めないアイデアに)大きなコミットメントをする前に、多くを学習することが可能になります。

ジェイク・ナップジェイク・ナップ氏(IDEO 客員研究員 / 元・GV デザインパートナー )
「スプリント」の生みの親。グーグルにて、革新的な開発プロセスであるスプリントを考案、命名。GVではそのメソッドを改良し、完成させる。その後、スプリントのメソッドは、Gmail や Google Chrome、Google サーチの新サービスなどの開発や改良に使われ、Google X 社ではアドセンスのチームに使われた。
グーグル中にスプリントが広まったのち、これまでにSlack、ブルーボトルコーヒー、23andMe、ネスト、ファンデーション・メディシンなどのスタートアップとともに、Facebookやマッキンゼー、Airbnbなどの企業、コロンビア大学などの教育現場、政府機関や非営利団体にも使われるようになった。ジェイク自身も、100回以上のスプリントを行っている。共著書『SPRINT 最速仕事術』(ジェイク・ナップ、他・著 / ダイヤモンド社・刊)は、日本でもベストセラーとなっている。

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