ソニー銀行が投資家とベンチャーをつなぐクラウドファンディング「Sony Bank GATE 」開始

 ソニー銀行は、 2017年8月8日、 新規事業に挑戦する企業と共感・応援したい個人を結ぶ場として、 国内銀行初の投資型クラウドファンディングのプラットフォーム「Sony Bank GATE」の運営を開始する。 第一号はIoTベンチャー企業のリンクジャパンが対象となる。(TOP写真:ソニー銀行 代表取締役社長 住本雄一郎)

[公開日]

[著] BizZine編集部

[タグ] IoT FinTech 資金調達

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ソニー銀行が始めたクラウドファンディングは「投資型クラウドファンディング」と分類されるもの。ここ数年一般に認知されてきたクラウドファンディングは「寄付」や「購入」型が多かった。たとえばベンチャー企業がアイデア創出した製品を、応援し資金を提供することでいち早く購入することができるというタイプのファンディングなどである。
 これに対して投資型クラウドファンディングは、「応援」の意味もあるが、本来の「投資」の側面が大きい。投資家が、企業の製品の事業計画、販売計画を評価しその事業性に対して投資をおこなう。当然計画を達成すれば金銭のリターンを得られる。

これまでの日本の投資型クラウドファンディングは地方創生などのタイプが多かった。ソニー銀行が始める「Sony Bank GATE」は、民間ベンチャー企業への投資であることが特色だ。 新規・成長企業等と投資家をインターネット上で結び付け、 多数の人たちから少額ずつ資金を集める仕組み。

対象となる企業は、スタートアップ企業でもとくに製品がわかりやすいハードウェア系が適しているという。募集する投資元はソニー銀行に口座を持つ個人投資家、投資に関心を持つ一般人が対象となる。

ソニー銀行 代表取締役社長の住本雄一郎氏は「ソニーのDNAを継承する新しい金融事業となる。資金を必要とする“挑戦企業”への思いや事業に対して、共感・応援する個人が投資をおこなうという新しい資産運用の選択肢を提供していく」と熱意を語る。

出資の対価としては、 事業の売上高に一定の割合を乗じた分配金を受け取ることができ、 出資金は償還されないが、 事業計画の売上高が達成されたときは出資金相当額を上回る分配が行われる。 ソニー銀行は事業内容の事前審査やファンドの募集などの業務を行うが、 ファンドの分配を保証するものではない。

またソニー銀行の執行役員の田中浩司氏によると、事前に多くの経営者や投資家へのヒアリング調査をおこなった結果、「一般の関心は13%だったが、ソニー銀行利用者の投資経験者の43%が関心を持ち、ベンチャーや新規事業への関心は59.6%だったという。

第一号ファンドはIoTベンチャー「リンクジャパン」

第一号はスマートホーム関連のIoTベンチャーのリンクジャパンの「eRemote Pro」が対象となる。eRemote Proは、スマートフォンで既存の家電のリモコンをコントロールする仕組み。エアコン、テレビなどあらゆる赤外線のリモコンをデバイスにつなぎ外出先からも制御できる。
これまでのスマートリモコンが一方通行型で、本当にON/OFFが出来ているか確認できなかったのに対し、eRemote PROは電流センサーを内蔵することで、双方向でON/OFFの確認がスマホから出来るというもの。

リンクジャパンCEOの河千泰進一氏は「家電製品をつなぎ家庭全体のスマート化を図る。とくに音声認識デバイスとの連携も進め、今後 Amazon Alexaなどとの連携には期待してもらいたい」と言う。Sony Bank GATEを選択した理由としては、以下のように語る。

「VCなどの調達の場合、株式譲渡などが発生し独自性が保てない。また銀行融資は会社全体のリスク。Sony Bank GATEであれば、製品/サービスに特化したリスクマネーの調達が出来、またソニー銀行というプラットフォームの安心感や、製品発表上のマーケティング効果への期待もあった」(リンクジャパンCEO 河千泰進一氏)

「資産運用」と「共感・応援」をコンセプトとする投資型クラウドファンディング。これまでFinTechの流れて捉えられてきたクラウドファンディングだが、IoT関連など、新しいハードウェアデバイスなどのベンチャー、スタートアップの資金調達手法として注目が寄せられるところである。

ソニー銀行 新規事業企画部 副部長 中路宏志/リンクジャパン 河千泰進一/ソニー銀行 執行役員 田中浩司/ ソニー銀行 代表取締役社長 住本雄一郎