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食の世界のイノベーション──イタリアンシェフと分子調理学者が語る、サイエンス視点で見る料理の楽しさ

Smart Kitchen Summit Japan 2018セミナーレポート Vol.1

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「食のテクノロジーの進化予測」から見た“食のアップデート化”へのアプローチ

 そして、トピックの2つめとして「食のテクノロジーの進化予測」から見た“食のアップデート化”へのアプローチが語られた。一般に「切ること」と「加熱すること」は調理の二大操作と言われている。いずれも様々な調理器具が登場し、消えている。どのようなものが淘汰され、生き残るのか。それを考える時、生物進化の考え方を応用した「食の進化論(ユニバーサル・ダーウィニズム)」がある。キッチン道具もまた自然選択されたものが残っていく。残る道具がどのようなものか、石川氏は次のように分析する。

技術的なものは世の中の動きを見れば予測は可能だが、難しいのはどの技術が社会に受け入れられるかという予測だ。自動車などは便利になれば比較的スムーズに受け入れられやすい。しかし、食はやはり安全性や感覚的なものが大きく影響し、新しい技術で作られたものに対しては抵抗を感じる人もいるだろう。食の分野は人の心理や思想、文化などの影響が大きいと思われる。(石川氏)

 それでは、「未来の食はどのようになっていくのどろうか」。ユートピア、ディストピアという2つの世界観からアプローチを図った。未来を考える時、大きく「つくる側」「食べる側」の2つの視点がある。近年は多くの人の生活において、自ら調理する機会が激減しているとされる。石川氏は「調理する人、調理する機会が減れば、作る人食べる人をどのように変えていくのか、たいへん気になる」と語る。

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