大企業における失敗する、成功するリーン・スタートアップとは?

Lean Startup for Enterprise Meetup セミナーレポート 前編

 「皆さんはリーンスタートアップを勘違いしています」。こう語るのはLean Startup Japan代表の和波俊久氏だ。自身も起業家として事業開発を行う傍、プロセスコンサルタントとして数々の大企業の新規事業、既存事業のプロセス設計に関わってきた和波氏だからこそ語れる「リーンスタートアップの本当の話」。リーンスタートアップの起源から大企業にとってのリーンスタートアップまで。和波氏によるLean Startup for Enterprise Meetup 「実践を通じて発見した、大企業における成功するリーン スタートアップとは」をレポートする。後編はこちら

[公開日]

[講演者] 和波 俊久 [取材・構成] 土屋 亘 [編] BizZine編集部

[タグ] ビジネスモデル リーンスタートアップ トヨタ生産方式 パレートの法則

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勘違いされやすいリーン・スタートアップ

 そもそもリーン・スタートアップとは何か。「分厚い計画書はいらない」「MVPをつくってフィードバックを得よう」「早く世に出してインタビューを繰り返していく」など、一般的に世間で認識されているリーン・スタートアップとはこのようなことだろう。

 しかし。実際はこのことを指しているわけでは決してない、と和波氏は言う。では一体リーン・スタートアップとは何か。和波氏がリーン・スタートアップの産みの親エリック・リースの著書『リーン・スタートアップ』をまとめて解説してくれた。

リーン・スタートアップの本当の姿

 書籍『リーン・スタートアップ』は3部構成でそれぞれ4~6のチャプターに分かれている。それぞれのチャプターの内容を一言でまとめたのが下図だ。

書籍『リーン・スタートアップ』の概要図1. 書籍『リーン・スタートアップ』の概要

 そしてさらにこれをプロセス化すると次のようになる。

書籍『リーン・スタートアップ』の内容をプロセス化図2. 書籍『リーン・スタートアップ』の内容をプロセス化

 新規事業というのは不確実性との戦いで、そこで生まれたアイデアは仮説にすぎない。従って、速攻で行動に移して学んでいかなければならない。計画を立てている場合じゃなく、MVPからはじめなければいけない。

 そこで立てる仮説は、事業アイデアのみではなく戦略もつくらなければいけない。さらに、それを成長戦略とマイルストーンによって常に正確に測定していく。その結果として、事業案を意図的に方向転換する。そしてこのサイクルを回せる組織は、トヨタ生産方式を実践できる柔軟性の高い組織だということだ。

 これこそが「リーン・スタートアップ」の考えだ。

 つまり「MVPをつくってフィードバックを得よう」等の本文冒頭で述べたような取り組みは、リーン・スタートアップでやらなければいけないことの一要素である「仮説のマネジメント」のなかの一つの手段でしかないのだ。

みなさんが勘違いしているのは、リーン・スタートアップとは、優れた事業案を、仮説検証を通じてひねりだす手法だと思っている。このことがリーン・スタートアップに対する一番の誤解です。リーン・スタートアップは業務プロセス改善であり、それ以外のなにものでもありません。

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