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理研・NII・NTT、「IOWN」による大規模研究データの利活用促進に向け連携へ

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 理化学研究所(理研)、情報・システム研究機構 国立情報学研究所(NII)および日本電信電(NTT)は、「IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)」による研究データ利活用促進に向けた連携・協力に関する覚書を、2023年3月27日に締結した。

 今後は三者それぞれの強みを活かし、IOWNを活用した大規模・高品質なデータ転送などに関する検討やPoCを実施。また、将来的に多くの研究分野や研究機関のモデルとなり、日本全体の研究環境の改善と研究力の強化につながることを期待していると述べている。

 現在、さまざまな研究分野において大規模なデータを扱う機会が増えている。そのデータを最大限に活用して研究活動を効果的に進めるために、物理的に離れた研究拠点間で大規模な研究データを効率的に転送し、蓄積・処理・解析などを行うニーズが高まっているという。

 理研では現在、第5期中長期計画(2025年度~2031年度)に向けた取り組みとして、理研全体で横断的なプロジェクトである「Transformative Research Innovation Platform of RIKEN platforms(TRIP)」を2023年度から開始すべく、準備を進めているという。TRIPは、理研の研究プラットフォーム(スーパーコンピュータ、大型放射光施設、バイオリソース事業など)をつなぐとともに、研究DXを加速・発展させ、社会変革のエンジンを提供しようとするプロジェクト。これを遂行していくためには、研究拠点間で大規模・高品質な研究データを効率的に転送して、利活用する環境の構築が急務だとしている。

 NIIでは、情報学分野における未来価値創成のための研究を推進するとともに、学術コミュニティ全体の研究・教育活動に必要な学術情報ネットワーク(SINET)などの、学術情報基盤の構築・運用に取り組んでいる。現在、オープンサイエンスを推進するための研究データ基盤の開発・整備を進めており、SINET6と効果的に融合させることで学術研究プラットフォームの実現を目指しているという。

 NTTを含めた三者は、超低遅延かつ超高速ネットワークによって、物理的に動かすことができない実験施設と研究施設を結び、遠隔地間の大規模な実験データや分析結果などを効率的にマネジメントすることで、研究者が遠隔地からあたかも現地でそのデータを扱えているかのような環境の実現、データの融合による新たな研究成果の創出を目指すと述べている。

覚書の目的

 同覚書は、理研、NIIおよびNTTがそれぞれの能力および人材などの強みを生かして互いに誠実に連携・協力をすることにより、IOWNを活用した大規模・高品質な研究データの利活用の振興および発展を加速し、それぞれの研究開発活動に資することを目的としている。

連携内容

 三者は、同覚書の目的を達成する範囲において、三者が合意した検討内容やPoC(概念実証)実施に関する次の事項について、連携・協力を推進する。

  • IOWNを活用したネットワーク環境の構築・管理
  • データ管理・データ処理に関する技術・環境構築
  • IOWNを利用したデータ転送・データ管理と既存ネットワークとの比較
  • IOWNの将来機能を踏まえた研究データ利活用環境の拡張

 三者は今後、IOWNを活用した大規模・高品質なデータ転送などに関する検討やPoCを実施。NTTが構築しているIOWN基盤や知見およびNIIの技術・知見を、理研の研究拠点で活用し、研究現場からのフィードバックを受け、共同で研究データ利活用環境の拡張、特にIOWNの将来機能も踏まえ、TRIPプロジェクト構想が掲げる「研究環境の前提を変えるようなデータ利活用環境」の構築に向けた検討を進めていくという。

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BizZine編集部(ビズジンヘンシュウブ)

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