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KDDI、日立製作所、博報堂キースリーが語る、大企業によるWeb3領域の事業開発のポテンシャル

Web3 Future 2023 レポート

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 ブロックチェーン等の技術により分散化されたネットワーク「Web3」では、ビッグテックによる仲介は必要なく、誰もがネットワークに自由に参加し、自由な表現ができると言われている。6月16日に東京ミッドタウン八重洲にてカンファレンスイベント「Web3 Future 2023」が行われ、産学官様々な背景を持つ登壇者による講演が実施された。本記事では、KDDI株式会社 事業創造本部 Web3推進部長の舘林俊平氏、株式会社日立製作所 研究開発グループ システムイノベーションセンタ 主管研究員の高橋健太氏、博報堂キースリー 代表取締役社長の重松俊範氏による「大企業が考えるWeb3のポテンシャルと取り組む意義」と題したパネルディスカッションをレポートする。なお、モデレーターはデジタル庁 Web3.0チーム 参事官の野崎彰氏が務めた。

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3社が語る現在のWeb3の取り組み

野崎彰氏(以下、野崎):Web3はここ1~2年で注目されるようになりました。日本ではブロックチェーン関連で早くからインシデントに巻き込まれてしまった過去がありますが、だからこそリスクに向き合いつつ、冷静な議論ができると思っています。今回は、世の中を変えるパワーを持つ大企業の方々にご登壇いただき、Web3に関する今後の展望について聞きたいと思います。まずは現在どのような取り組みをされているかお聞かせください。

舘林俊平氏(以下、舘林):2012年から「KDDI ∞ Labo」というスタートアップアクセラレーションプログラムや、「KDDI Open Innovation Fund」といったCVC関連の事業に携わってきました。2015年頃からAIやVR関連でスタートアップとも関わってきて、2022年4月から「KDDI ∞ Labo」やオープンイノベーションファンドの統括をするようになり、今年4月からメタバースやNFT関連の事業にも携わるようになっています。

 具体例をご紹介すると、今年3月にメタバース・Web3サービスの「αU」を設立しました。ここでは、メタバースでエンタメやコミュニケーションを楽しめる「αU metaverse」、NFTマーケットプレイスの「αU market」などをリリースしています。

高橋健太氏(以下、高橋):私は情報セキュリティを専門としていて、暗号技術や生体認証などのシステム開発に従事してきました。ここ10年は生体認証と暗号を融合させた「PBI(Public Biometric Infrastructure)技術」の研究開発に携わっており、数学的な基礎理論を構築するところから、システムとして製品化するところまでを担当しています。たとえば、指の静脈の画像パターンから「秘密鍵」を作るシステムを開発しました。このシステムは2017年から既にATMでも使われています。

 私がWeb3に関心を持つようになったのは、デジタルアイデンティティ関連の研究に携わっていたからです。“なりすまし”が多発しているWeb上で、どうすれば「自分が自分であること」を証明できるだろうか、どうすればデジタル情報でリアルの人間を保証できるのか考えていたのです。ブロックチェーンや暗号理論と自分が専門とする生体認証を組み合わせることで、プライバシーに役立てることができるだろうと考えるようになりました。

重松俊範氏(以下、重松):2年ほど前からNFTやブロックチェーンの活用などWeb3関連の相談が博報堂にも寄せられるようになりました。そこで、2022年12月にWeb3を専門とする博報堂キースリーを設立し、クライアントの新規事業開発部門と一緒にWeb3事業を進めるようになりました。私自身は新卒から広告事業に従事してきて、2005年から12年間中国に行っていました。帰国後はメタバース関連の事業に携わっています。

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山口 伸(ヤマグチ シン)

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