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デロイト トーマツ、組織・人材が飛躍するための7つのトレンドを発表 リーダーへの提言も

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 デロイト トーマツ グループ(デロイト トーマツ)は、世界95ヵ国の約1.4万人におよぶ人事部門責任者や管理職を含む労働者へのアンケートやインタビューをもとに、組織・人材が飛躍するための課題とトレンドをまとめた「デロイト・グローバル・ヒューマン・キャピタル・トレンド2024 境界を超えて躍進する:境界のない世界における人間のパフォーマンス」の日本語訳を発表した。

 今年のレポートでは、技術の急速な進歩や労働市場の多様化を受けて、労働者の「人間」としてのパフォーマンスを最大限引き出して組織を成功に導くために、組織やリーダーが取り組むべきことについて考察したという。3つの提言と7つのトレンドは以下のとおり。

提言1. 「組織が労働者にもたらす利益」に焦点を当て、労働者視点の生産性指標に転換する

 真の持続可能性実現のために、組織は労働者を価値創造の源泉とみなし、「組織が労働者にもたらす利益」に焦点を当て、ウェルビーイング・能力・働きがいなどの向上に取り組むことが必要である。その上で、従来の組織視点の生産性指標から、労働者エンゲージメントや心身の健康度といった労働者視点の生産性指標へ転換していくことが求められている。

  • 人が躍進すればビジネスも躍進する:労働者の43%が「所属企業が、自分たちを入社当初よりも良い状態にしてくれた」と回答。他方、組織と労働者の関係性は、ESG指標の一要素である社会的指標として測られるべきであるものの、明確な定義や標準化が困難であるため、相対的に対応が遅れている。リーダーの19%が「ESGの社会的要素を測定するための非常に信頼性の高い指標を持っている」と回答した
  • 労働者視点の生産性指標に転換する:従来の生産性の枠組みを超えた労働者のパフォーマンスや価値創出の模索について、組織の成功における「重要性を認識している」リーダーは74%であり、そのうち40%が「何らかの行動をしている」と回答した

提言2. 責任あるデータ活用の下、人間の「想像力」と最新技術を掛け合わせて課題解決に取り組む

 テクノロジーの進歩にともない高まる情報収集・活用のニーズに対して、組織は透明性およびプライバシーの確保により労働者との信頼を構築することが重要。一方で、最新の技術で補えない「好奇心」や「共感力」などの人間らしい能力の重要性も高まっている。組織がこれまでにないような新しい課題に取り組むにあたって、新しいテクノロジーを安心・安全に活用できる場を提供し、人間らしい能力と掛け合わせる機会を生み出すことが役に立つという。

  • 透明性とプライバシーのバランスをとり、労働者との信頼関係を築く:情報の透明性に対する要求が強まる一方、プライバシー侵害による信頼失墜の危険も高まっている。責任あるデータ活用により組織への信頼度は35%上昇し得るのに対し、「自組織がデータを責任ある方法で使用している」と回答した労働者は37%となった
  • 技術革新の中で、人間らしい「想像力」が組織の成功におけるカギを握る:AIをはじめとした技術により仕事のスピードや効率は向上しているが、課題解決や新しい価値創造においては、創造性や好奇心などの人間らしい能力が依然として重要である。73%の労働者が「人間の想像力が技術革新に追いつくことが重要である」と考えているのに対し、その達成に向けて有意義な進歩を遂げている組織は9%だった
  • 「デジタル・プレイグラウンド」での遊びと実験が、人間のパフォーマンス向上につながる働き方を生み出す:新技術を安心・安全に活用できるようにすることで、課題解決やイノベーションが促進される。39%の労働者が「自身の仕事に対するAIの影響を心配している」一方、52%の労働者は、「AIの利用拡大が自身のキャリアの可能性を高める」と回答した

提言3. 組織文化の多様化と人事知識の浸透を推進する

 組織全体の価値観に沿いつつも、各チームのニーズに合わせた「マイクロ・カルチャー」を構築することを認めることにより、組織の自律性と多様性が高まる。人事知識を人事部門に限定せず、組織全体で構築することにより、組織力向上につながるとしている。

  • マイクロ・カルチャーを受け入れ、多様性を労働者と組織の躍進の原動力にする:リモートワークの普及や労働形態の多様化などが促進する中、全社画一の組織文化を浸透させる試みは、労働者や組織にとって不利益をもたらす可能性が高くなっている。71%の労働者が「文化、流動性、アジリティ、多様性を育む最良の場所として、個々のチームと作業グループを重視することが成功にとって非常に重要」と述べている
  • 人事は一機能から専門分野を横断する組織知へ進化する:組織における機能、職位、雇用形態などの境界が薄れつつある今、人事は「人事機能」という境界を越えて「組織知」となることが求められている。72%の回答者が「人事はオペレーション機能から機能横断の専門分野へ移行することが非常に重要である」と考えており、経営リーダーの27%は「人事機能が他のビジネス機能のプラクティスと益々統合されていく」と考えている

リーダーへの提言

 労働者パフォーマンスおよび組織成果の向上に際し、リーダーの役割が何よりも重要である。取り組み事項の優先順位付け、ガバナンス強化、心理的安全性の担保の3つを実践することが、これからのリーダーに求められているという。

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BizZine編集部(ビズジンヘンシュウブ)

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