外資系コンサルから学んだノウハウで戦略参謀からスタートアップへ、クラウディアン本橋氏

企業ITのストレージ製品のベンチャー「クラウディアン」の取締役COO 本橋信也氏は、日本の通信業界の経営戦略畑を渡ってきたベテラン。生き馬の目を抜く通信市場の中で、意思決定をサポートするスタッフとしての経験とノウハウを語っていただいた。

[公開日]

[著] BizZine編集部

[タグ] スタートアップ データテクノロジー 事業開発

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外資系コンサルティングからノウハウを学んだ

本橋 信也
クラウディアン株式会社 取締役、COO
大手通信事業者において経営企画とマネジメントの分野において25年を超える経験を有する。一橋大学卒業後、国際電信電話株式会社(現 KDDI)に入社し、サービス企画、経営計画、社長秘書など経営中枢部門における約20年を経て、ボーダフォン・ジャパンに移籍。同社においてグローバル 戦略チームの一員として日本の経営戦略開発の責任者であると同時に、再建プロジェクトなどのリーダーを務めた。そして、ソフトバンク・モバイルによる M&A後には、イーアクセス/イーモバイル社との合弁会社においてワイマックスを手掛けた。南カリフォルニア大学にて経営学の修士号を取得している。

− 本橋さんは通信業界を四半世紀に渡って歩いてこられて、今現在テクノロジーベンチャーの会社に参画されてます。経営戦略に関わる専門性はどのように磨かれたのですか?

本橋 KDD時代に社長秘書として経営者をサポートしていたことが基礎にはなりましたが、ボーダフォン時代に、外資系大手の戦略系コンサルティング会社と仕事をしていたので、彼らから相当ノウハウやスキルを吸収したんです。 資料の作成の仕方などのノウハウです。今となってはそれ自体は特別ではありません。スライドのテンプレート自体はもらって真似することができます。むしろ重要だったのは、ロジックなんですね。ロジカルに問題解決するための考え方を徹底的に学んだ。『社内プレゼンの資料作成術』(ダイヤモンド社)を上梓された前田鎌利さんもその時のメンバーでした。

ファクトベースで会社の数字を「洗う」

— その当時の外資系のコンサルティングのフィーというのはかなり多額と聞いていますが、中身はどのようなものなのでしょうか?

本橋 数か月の契約期間でも、億円規模だったと思います。成果物はプロジェクトによって違うんですが、とにかくたくさん資料を作るのは間違いないですね。一番最後のプロジェクトは、リストラのプロジェクトでした。そこでの仕事は、会社全部の数字を「洗う」ことでした。大企業になると経営者は、細かい数字を見ることができないので、コンサルタントが入って、経営者がわかりやすい情報に加工するんですよね。その上で本当に重要な、今やるべきこととを発見し提案していくというプロセスなんですよ。 リストラをおこなうために、どの部署がどれだけの貢献をしているかとかを細かく見ていきます。現在の貢献だけではなく、将来の貢献も数値化する。ポイントは、報告に際して細かい数字を絶対に見せずに、大きな絵と簡単なグラフとかで見せることです。

— 現場からリアルな数字を引っ張りだすにはリーダーシップがいるのではないでしょうか?

本橋 現場から重要な数字を見つけ出すために、プロジェクトチームをつくるのです。コンサルティング会社のリーダーとマネジメントのリーダーと現場のメンバーで。僕は経営側のリーダーでした。コンサルタントチームの姿勢は丁寧なんですけど、メンバーは彼らの指示にしたがって作業をするんですね。社員であれば物凄い細かいデータまでアクセスできますから、データをどんどん集めさせて分析を進める。コンサルティング会社に支払う多額のフィーは、そういう彼らの強制力を働かせる上での触媒にもなっていました。

もうひとつは、数字を洗う上で無駄な議論は排して、徹底的にファクトベースで追求することです。日本の会社は会議が多いと言われますが、ファクトに基づかないことが多いのです。誰かが、お客さんから「こう言われた」と言うとそのお客さんが、1人なのか100人なのか、そういうファクトを無視して議論をしてしまうわけです。数字からファクトを見つけて、最後は大きな絵をドンと見せてあげることが大事なんです。

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