大前研一氏が語る、「日本発、世界で通用するイノベーション」の作法

ワークスアプリケーションズ主催「COMPANY Forum2015」大前研一氏講演レポート

 2015年12月10日、株式会社ワークスアプリケーションズ主催「COMPANY Forum2015」が開催された。講演「日本から世界的イノベーションを生むには」では、株式会社ビジネスブレークスルー代表取締役社長、ビジネスブレークスルー大学学長でもある大前研一氏が登壇し、日本の教育改革の必要性と日本企業が世界レベルでイノベーションを起こしていく作法について語った。

[公開日]

[講演者] 大前 研一 [取材・構成] 土井 大期 [編] 栗原 茂(Biz/Zine編集部)

[タグ] タレントマネジメント スマートデバイス クラウドコンピューティング 事業開発 企業戦略

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「答えのない時代」に必要な教育の在り方

今、「答えのない時代」だと言われている。世界中に答えがはないため、答えを見つける能力が必要でしょう。21世紀とは、0から1を生み出し、また、そこで満足せずに、1から10、10から100と多くのものを生み出していく気概を持ち、世界レベルで考えられる人材が必要な時代です。

 日本人は、明治時代から戦後に続く時代に「答えのある世界」で生きてきたが故に、我々にはその答えを覚え、実行する能力が身についている。しかし、答えを覚えるのではなく、答えを作り出していく時代となった21世紀では、今までの「日本型の教育」ではこのグローバル社会に通用する人材を育成できない。では、日本の教育をどのように変えていく必要があるのか。教科書の内容を教えるのではなく、「教師自身の考えを教える」ことが重要だと大前氏は言う。

教科書がないと教えられないような教師は不要だと思っています。教師の考えを生徒に伝えるのに、なんで教科書を使う必要があるのですか。

 デンマークでは、今から20年前に「21世紀は“答えのない”時代」であると既に言われていた。答えがないため「teach」という概念は成り立たない。なぜなら「teach」とは、知っていることを生徒に教えることだからだ。教室での教師の役割とは、「teacher」ではなく、「facilitator」である。つまり、教師とは、ある問いに対してクラスのみんなが議論をし、その答えを見つけられるよう導くことを助ける人間のことであると大前氏は言う。

 では、答えがない時代に必要な学問とは何か。それは「外国語」である。例えば、ネットで同じ内容を日本語と英語で検索すると、検索結果の量に大きな違いがあるからだ。また、「論理思考」も必要となる。論理思考は、事実と推論を重ねることで、「0から1」「1→100」と考えていく際に、基礎となるスキルだからである。ただし、論理思考に囚われ過ぎれば、人の共感を得られないので留意しなければならない。「IQではなくEQ」が必要で、ここでも教師の役割は大きいであろう。

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