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「ブロックチェーン」と「インターネット」の類似と相違―未来の姿は見えるのか?

THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2016 TOKYO report vol.4

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 2016年7月5日と6日、「ブロックチェーン」と「人工知能」をテーマに「THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2016 TOKYO」が開催された。初日は「ブロックチェーンの真実」をテーマに国内外の有識者が登壇した。伊藤穰一氏(株式会社デジタルガレージ 共同創業者 取締役/MITOTICメディアラボ所長)によるあいさつと、アダム・バック氏(Blockstream Corp. 社長 兼 共同創業者)による基調講演の内容をレポートする。

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ブロックチェーンとビットコインの関係はインターネットと電子メールの関係に似ている

 冒頭で伊藤氏は、90年代中頃に初めて電子決済ブームを起こした「eキャッシュ」に言及した。それは米デジキャッシュ社による電子決済のシステムで、伊藤氏も自身のサイトに組み込み、書籍『デジタル・キャッシュ』を出版するなど大いに注目していたものだ。しかし、デジキャッシュ社は98年に倒産する。20年前には時期尚早だったのだろうが、再びブームが起きている今、当時から変わらず重用なコンセプトと今だからこそのアイデアが重なっていることに注目すべきだと伊藤氏は言う。

 次に、ブロックチェーンとその上で動く代表的なしくみであるビットコインについて、伊藤氏は簡単に解説した。いわく、ブロックチェーンとビットコインはインターネットと電子メールの関係に近いものだという。インターネットもブロックチェーンも複数のコンピューターをつなぐ分散型のシステムの上で情報をやり取りするオープンな技術であり、インターネットではまず電子メールが普及し、続いてパソコン通信やWeb、その他いろいろなものが生まれた。同様に、ブロックチェーンはビットコインをきっかけに普及が始まったところで、今後はビットコインに限らず様々なものがこの上でやり取りされることになるだろうということだ。

初期の電子メールの時代に、例えば『Uber』のようなアプリが出てくるとは想像ができなかったのと同じで、これからブロックチェーンがどういう風に使われていくかを今は想像ができない。今のブロックチェーンは20年前、みんながプロバイダーをやろうとしていた頃と同じような段階と言えるでしょう。

 伊藤氏は、インターネットとブロックチェーンの成長の仕方について、異なる点もいくつか挙げた。ひとつは、ブロックチェーンへの注目度がインターネット以上に急速に加熱しているという点。まだ技術的には発展途上であるにも関わらず、ベンチャー投資の額はすでに1000億円を超えているという。また、インターネットは比較的長い時間をかけて研究者やNPOなどが基盤を整備してきたのに比べ、ブロックチェーンはビジネスとして参入するプレイヤーが多く中立的な立場で関わる人が少ないこと、お金や資産を扱うという点で失敗すると影響が大きなシステムであることも懸念される。今後ブロックチェーンやビットコインが発展していくためには、暗号技術をはじめとする根幹の技術がわかるエンジニアが不足しており、それをどう増やしていくかが課題だと指摘した。

伊藤穰一伊藤穰一氏(株式会社デジタルガレージ 共同創業者 取締役/MITOTICメディアラボ所長)

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