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濱口秀司氏が語る、経営にインパクトを与える「3つのデザイン」と「顧客の価値認知モデル」

Biz/Zine Day 2016 Autumn “デザイン”を軸に据えた「事業開発の条件」レポートvol.1

[公開日]

[講演者] 濱口 秀司 [取材・構成] 有須 晶子 [写] 和久田 知博 [編] 栗原 茂(Biz/Zine編集部)

[タグ] ストーリー バイアス 事業開発 企業戦略 顧客認知

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バイアスを見つけるための「視覚化」と「構造化」

 バイアスは業界や専門分野の「あたりまえ」を共有していくことで「効率化を助ける一方、変革を妨げる」二面性があると濱口氏は言う。

何かを改善しようと思ったら、バイアスを使えばいいんです。ただ、まったく新しいものを作りたい、ゲームチェンジャーになりたいときには、バイアスは邪魔になってきます。なぜかというと、バイアスに沿って他の人と同じ考え方をしてしまうからです。これをいかに外すかが問題です。

 バイアスを壊す商品で成功した事例として、濱口氏はUSBフラッシュメモリーの開発経緯を紹介した。

USBフラッシュメモリーの開発経緯

 1999年、CFカードを製造していたM-systemsは、サンディスクの攻勢を受け、新たな記憶媒体を開発しようと、濱口氏が所属するZiba Designに協力を求めた。デザイナーやエスノグラフィックリサーチャー、エンジニアらがブレストに参加し、アイデアを出しあった。が、多くのアイデアが出されても「アイデアそのものには着目しないほうがいい」と濱口氏は言う。

着目すべきは、なぜ、そのアイデア群ができたのか。なぜ、そういうアイデアが出てきたのか、背後にある思考エンジンをトラッキングする。つまりバイアスを探る。それを視覚化することに時間をかけたほうがいい。

 この事例では多くの視覚化、構造化が試みられたが、以下の図は特に効果的だったという。

タイトル縦軸:経験を示す。左上のTはTangible(有形)、左下の(T)はIntangible(無形)を表す。
横軸:データサイズを示す。左下のSはSmall(小)、右下のBはBig(大)を表す。

 デジタルカメラの解像度の上昇に伴いデータサイズも膨大になっていた当時、有形の記憶媒体は陳腐化し、データは通信でやりとりするようになるとの考えがトレンドだったため、出されたアイデアはすべて図の白線上にのっていた。

 この白線がバイアスだとすると、青線の先の*に何かあるのではないか、と考えるのがバイアスブレイキングだ。この*印にくるアイデアは、たとえ「データサイズが大きくなっても『今日のプレゼンはここに入っているよ』と言ってデータを手渡しできる体験」ということになる。

これ、見えていますよね。構造化されていますよね。僕もこの白い矢印に引っ張られているから、頭の中ではそんなのいらないと思っている。でも図面上に普通は考えないものが見つけられた場合は、それについて1日かけて無理矢理、考えることをオススメします。それでアイデアが出てきたら、ものすごくいい投資になります。アイデアそのものは見てもしょうがないです。アイデアはその背後エンジンを探るためのガソリンです。

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