「協力的思考」を持つ人間が、協力を越え熱狂に至るポイントとは?
6.分かち合う仲間がいること
最後の条件は比較的シンプルだと思う。そもそも組織創りを論じているので、「一人(ひとり)」を想定していないということはあるのだが、ここで論じたいのは「熱狂の強度」と「分かち合うモノ」についてだ。
何かに熱狂するということ自体は一人でも十分にあり得ると思う。ただ、ある一説によると、人間は共同作業に従事するために、他者の考え方や感情にうまく対応できるように脳を進化させてきたようで、そういう意味では、人間には生まれつき他者と繋がろうとする傾向があるということだと思う。また人間は生まれながらにして協力的思考を持つという「向社会性」の話も今では定説になりつつあるのではないだろうか。加えて、血縁関係に限らず、人との関わりが深くなるほど、その関係性が私達の幸福感により大きな影響を与えるというようなことも言われている。つまりは、熱狂する人が周囲にいれば、その人と繋がり協業しようとさらに自分も熱狂していき、それがまた他の人にも伝播していく……。仲間がいるとそのようなスパイラルが幸福感とともに生まれ得るのだ。