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日本・米国・英国企業の経営テーマにおける注力分野を比較分析―デロイト トーマツ グループ調査

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 デロイト トーマツ グループは、日本・米国・英国企業の経営テーマにおける注力分野の動向を把握する目的で、有価証券報告書やForm 10-K、Annual reportをテキストマイニングで分析したレポート「テキストマイニングを用いた日米英における有価証券報告書・年次報告書の開示動向調査」を発表した。

調査概要

  • 調査期間:2022年7月1日~31日
  • 調査目的:日本・米国・英国上場企業の経営戦略、事業リスクへの対応における注力分野の動向の把握
  • 調査対象企業

日本企業
2021年4月1日~2022年3月31日のうちに決算期を迎え、かつ、2022年6月30日までに当該期間の有価証券報告書を提出した東京証券取引所上場企業のうち、過去4年間にわたり決算期の変更なく有価証券報告書を提出している企業(3,337社)

米国企業
2022年3月31日時点でニューヨーク証券取引所、またはNASDAQに上場している企業のうち、 2021年1月1日~12月31日のうちに決算期を迎え、2022年6月30日までに当該期間のForm 10-Kを提出しており、かつ、過去3年分のForm 10-Kからテキストマイニングの対象項目を抽出できた企業(3,408社)

英国企業
2022年3月31日時点でロンドン証券取引所に上場する英国企業のうち、2021年1月1日~12月31日のうちに決算期を迎え、2022年6月30日までに当該期間のAnnual reportを提出しており、かつ、過去3年分のAnnual reportからテキストマイニングの対象項目を抽出できた企業(1,140社)

日本企業では「原材料価格の高騰」「地政学」「サステナビリティ」「サプライチェーン」といった記載が急増

 有価証券報告書にて、経営方針や経営戦略などを説明する項目「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」において記載があったワードを分析したところ、2021年においてはCOVID-19に関連したワードが多かったものの、2022年においては変異株というワードが見られた程度であった。

 それに代わり、原材料価格の高騰、地政学、サプライチェーンといった観点が急増しており、新たに注目を集めていることが分かる。

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 また、気候変動、TCFD、カーボンニュートラルなど、サステナビリティ関連のワードは昨年に引き続き増加しているという。

TCFD提言が開示を推奨する4項目について開示した企業は、プライム市場に上場する企業の8%

 プライム市場に上場する調査対象企業1,743社のうち、2022年決算の有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」または「事業等のリスク」にて、社会的価値・SDGs・ESGに言及した企業は1,282社(74%)、TCFDに言及した企業は504社(29%)であった。

 しかし、TCFD提言が開示を推奨する「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4項目に分けて自社の状況を開示した企業は、137社(8%)に留まったという。

 また、 JPX400に含まれる企業に限っても、10%となっていた。

 なお、TCFDに言及する上場企業の割合は英国で38%、日本で16%、米国で3%となり、 TCFD提言に基づく開示の義務化が進んでいる英国と日本において記載割合が増加傾向にあるが、日本の記載割合は英国の半分以下に留まっているとしている。

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人的資本に関して日本の上場企業の約2割が多様性について言及、開示義務化の米国では6割に

 「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の項におけるダイバーシティ、インクルージョンなど多様性関連ワードの記載を調査したところ、2022年時点で625社と、上場企業の2割程度が言及していた。

 一方、米国では2020年に米国証券取引委員会(SEC)が上場企業に対し、人的資本に関する開示を義務づけている。これを受けて、「Item1 Business」の項における多様性関連ワードの記載は、2020年時点ではわずか4%であったが、2021年を境に急増し、2022年では米国上場企業の60%が記載していたという。

 英国では、年次報告書の「Strategic Report」または「Governance Report」の項を調査したところ、2020年の段階から4割近い企業が多様性関連ワードを記載しており、2022年においては58%が記載していたと述べている。

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事業等のリスクでのサイバーセキュリティに関する記載率は米国で高く、日英においては半数程度に

 日本では、「事業等のリスク」でサイバーセキュリティに言及する企業は46%(1,526社)であった。業種別でみると、金融(除く銀行)において記載率が75%(57社)と最も高く、次いで情報通信・サービスその他が58%(528社)となった。これらの業種には、価値が高い顧客情報を預かっている企業が多く含まれており、サイバー攻撃を受けるリスクが相対的に高いという。

 一方、米国では「Item1A Risk Factors」でサイバーセキュリティに言及する企業が88%(2,990社)であった。これらは日本の2倍近い割合となっており、米国ではサイバーセキュリティの重要性が幅広い業種で浸透していると述べている。

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BizZine編集部(ビズジンヘンシュウブ)

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