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KPMG、「KPMGグローバルCEO調査2023」発表 世界の経営者の将来見通しや重要施策などを調査

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 KPMGは、世界の経営者の将来見通しや重要施策などを調査した、9回目となる「KPMGグローバルCEO調査2023」を発表した。

 同調査は、2023年8月15日~9月15日の期間で、11ヵ国11業界の企業経営者1,300人以上に対して、経済およびビジネスの展望に関する今後3年間の見通しについて調査しているという。

 今回は、2022年の調査では上位5つに入らなかった地政学と広範囲にわたる政治的不確実性が、今年の経営幹部が事業成長にとって最大のリスクとして認識していることが明らかになったとしている。

 また、今後3年間の世界経済の見通しに対する自信は、2022年の調査(71%)とほぼ変わらないものの(73%)、事業のリスクの構成要素に対するCEOの見解は大きく変化している。

 CEOの4分の3以上(77%)が、金利上昇や金融引き締め政策によって世界不況のリスクが生じたり、その脅威が長引いたりする可能性があると回答している一方、CEOの4分の3以上(77%)は、生活費の圧迫が今後3年間、企業の繁栄に悪影響をおよぼす可能性が高いと考えているという。

 世界政治、貿易動向、国際関係における絶え間ない変動により、CEOは戦略的優先順位を再評価し、世界の政治勢力での複雑な相互作用の中で、レジリエンスを発揮することを余儀なくされているとしている。

ハイブリッドワークとオフィス勤務回帰をめぐる議論は続く

 CEOは、パンデミック以前の働き方を支持する姿勢を強めており、過半数(64%)が今後3年以内にオフィス勤務に完全回帰すると予測。調査対象となったCEOの87%が、金銭的報酬や昇進の機会をオフィス勤務への回帰に結びつける可能性があると表明している。

 KPMGインターナショナルの人材部門グローバルヘッドであるヌラム・ドロム氏は、「この調査結果は、CEOが大きな問題に対して迅速な決断を迫られていることを浮き彫りにしています。経済が不透明な今、人材争奪戦は和らいでいるかもしれませんが、オフィス勤務に対する画一的なアプローチは弊害をもたらすかもしれません。リーダーは、優秀な人材を育成しサポートするために、従業員の価値提案を受け入れ、すべての人の懸念やニーズを包合する長期的な視野を持つことが極めて重要です」と述べている。

両極化する議論にもかかわらず、CEOはESGを優先し続ける

 ESGをめぐる議論が1年にわたり両極化したが、CEOは、環境、社会、ガバナンスの問題に対処することが、事業運営や長期的な企業戦略にとって不可欠な要素であることを認識している。このことは、価値創造の手段としてESGをビジネスに組み込んでいるCEOの69%が支持しているという。

 ESGに対する認識と対話の変化を反映し、CEOの35%が社内外でESGに言及する際の言葉を変えているとしている。これは、CEOがESGの各側面についてより具体的に理解するとともに、最も影響力のあるところに優先的に取り組む傾向を示しているという。一方、ESG投資の見返りを得られるのはまだ数年先と考えており、ESGが今後3年間で、顧客関係、ブランド評価、M&A戦略に最も大きな影響をおよぼすと考えているという。

 CEOは、自分たちの役割が世間や投資家の圧力によって大きくなっていることを理解しており、64%が一部の制度に対する信頼が低下するにつれて、世間は社会の変化の空白を企業が埋めることを期待していると考えていると述べている。

 KPMGインターナショナルのESG統括グローバルヘッドであるジョン・マカラリーシー氏は、「経済的・政治的な不確実性が高まっているにもかかわらず、今回の調査結果は、ESGに対するCEOの回復力と集中力の高まりを反映しています。気候危機のような話題は、地域によっては二極化していますが、ビジネスリーダーは、より持続可能な事業への移行を推進する上で、積極的な役割を果たし、すべての人に利益をもたらすために厳しい倫理的な決断や姿勢を取る準備ができていると語っています。財務的・地政学的な圧力が続く中、多くのCEOにとって神経を使う試練となることは間違いありませんが、この調査結果から、大多数の経営幹部は現在、E(環境)、S(社会)、G(ガバナンス)が、持続可能なビジネスを成功させるためのオプションではないことを認識し、全面的に取り組んでいることが分かります」と述べている。

生成AIを取り巻く倫理的課題がある一方、投資は抑制されていない

 調査結果によると、CEOは将来の競争力を求めて生成AIに多額の投資を続けており、この技術を中期的な最優先事項として挙げている。CEOの70%は、生成AIが依然として優先事項の1つだと考えており、その大半(52%)は投資に対するリターンが3~5年後に得られると期待しているという。

 投資を推進する意欲がある一方で、CEOは生成AIの導入に関する懸念事項の第1位に倫理的な課題を挙げている。第2位は導入コスト(55%)、第3位は規制や技術的能力の欠如(50%)であった。

 KPMGインターナショナルのグローバル最高デジタル責任者であるリサ・ヘネガン氏は、「生成AIは、その可能性をよりよく理解し、ビジネス戦略に導入する方法を模索しているリーダーたちの間でますます注目を集めています。課題は、適切な場所に資金を投入し、AIがもたらす機会を十分に活用するための適切なスキルを持つことです。CEOは、責任ある強固なAIのフレームワークを開発または採用し、従業員のスキルアップを図り、セーフガードとガバナンスに徹底的に注力することで、AIが企業、従業員、そしてより広い社会のために真に価値を解き放つことができることを強化し、前面からリードすることが不可欠です」と述べている。

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