SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

新規事業が生まれる組織づくり

新規事業開発の成功を7割が実感できない理由──自走する組織づくりに必要な10の観点とは?

第1回

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket

 この数年で、新規事業部門を設立する企業は右肩上がりに増え続けています。こうした背景が追い風となり、新規事業開発の手法やフレームワーク、ツールなども急速に整備されました。一見、新規事業創出のハードルは下がったかのように思えますが、実態としては多くの企業が成果を実感できずにいるようです。そうした中、社内提案制度をはじめとした新規事業プログラムを運営する企業では、取り組み自体を抜本的に変えようとする動きも見られ始めています。それこそが、「新規事業が生まれる組織づくり」への転換です。本稿では、新規事業創出が失敗に終わる原因を考察するとともに、新たな潮流になり得る“組織づくり”の進め方について論じていきます。

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket

調査と経験則が一致した、新規事業の現場でいま起きていること

 昨今、大企業における新規事業創出の取り組みが大きな変化の局面を迎えています。それを裏付けるデータとして、当社(bridge)で2022年に実施した、新規事業開発活動に取り組んでいる企業担当者(n=300)に対する調査結果を引用したいと思います。

 それによると、新規事業創出活動の成果を実感していると回答した企業はわずか3割でした。

新規事業創出活動の成果を実感していると回答した企業はわずか3割
クリックすると拡大します

 bridgeの経験則からも、この割合は妥当な数字だと感じます。さらには、新規事業の創出に頓挫した企業が次のアクションとして「原因を解明することなく支援会社を変える」「取り組みの筋が悪かったと活動を中止する」など、場当たり的な意思決定で対処する傾向にあることから、数字が伸び悩みに繋がっていると推測します。

 では、なぜ新規事業開発はうまくいかないのか。阻害要因はさまざまあるものの、特に顕著だと感じるのが、経営陣が活動を牽引することなく、初期の掛け声だけで終わってしまう失敗です。そうではなく、自社にとっての新規事業開発方針を示し、具体的な目標や活動予算、ミッションを付与することでリーダーシップを発揮していくことが求められています。

 他方、経営陣によるリーダーシップの発揮は成功要因の1つに過ぎず、それ以外にもいくつかのポイントを押さえる必要があると考えます。それを表したのが下記の図です。

新規事業に成果を出している企業の特徴
クリックすると拡大します

 私たちは「自走化」というキーワードを用いて、組織の中に実践知がどれだけ蓄積されているかを定性的・定量的に捉えることで、新規事業創出を成功に導く方法論を描きました。実践知が一定のライン、閾値を越えた企業は筋の良いアイデアが次々と生まれ、実証実験・事業化に向けて動き出しているのです。

 つまり、冒頭に触れた新たな潮流とは「社内の提案制度の運営」から「新規事業の生まれる組織づくり=自走できる組織」へと移っているのです。次項では、組織の“自走化度”を見極めるための考え方を、図を用いて、その要点を整理したいと思います。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
新規事業の生まれる“組織づくり”に必要な2つの自走化

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
新規事業が生まれる組織づくり連載記事一覧
この記事の著者

大長 伸行(オオナガ ノブユキ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング