ホラクラシー経営を支える「自然の摂理」と「市場の原理」に逆らわない制度設計

ダイヤモンドメディア 武井浩三氏 × Lean Startup Japan 和波俊久氏 対談第2回

 2007年の創立以来、「ホラクラシー」的な経営の実践を続けているダイヤモンドメディア株式会社。創業者である武井浩三代表取締役に、Lean Startup Japan代表の和波俊久氏がインタビューした。中編では、役職や肩書を廃し、給料を自分で決めるといった型破りな経営を支える具体的な手法を紹介する。今までの連載はこちらから。前編ははこちらから。

[公開日]

[語り手] 武井 浩三 [聞] 和波 俊久 [取材・構成] やつづかえり [編] 栗原 茂(Biz/Zine編集部)

[タグ] ワークスタイル 企業戦略 ホラクラシ― 全員参加経営 アメーバ経営 ABM リカルド・セムラー

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「定量的なマネジメント」と「コミュニケーション」を実現するため、徹底的にITを活用

和波(Lean Startup Japan LLC 代表社員 プロセスコンサルタント):
 アメーバ経営やABM(activity-based management:活動基準管理)といったシステマチックな管理手法を取り入れることで「管理しない経営」ができるようになってきたということですが、ホラクラシーを実現するには、他にどんなことが必要ですか?

武井(ダイヤモンドメディア株式会社 代表取締役 共同創業者):
 組織としての「しくみ」を持ちビジネス活動をしつつ、個々人が自由であるという相反する状態を実現するために、お話したような「定量的なマネジメント」の他に、「コミュニケーションのインフラ」を構築しました。この2つがとにかく重要なんです。

和波:
 「定量的マネジメント」のしくみで見える化した情報をベースに、有効なコミュニケーションを取れるようにしていくということですね。

武井:
 はい。そのためにツールを徹底的に活用しています。リアルタイムにやり取りするようなフロー型のコミュニケーションには「チャットワーク」と「Slack」、ナレッジをためていくストック型のものは「Google ドライブ」などをよく使います。

定量的マネジメント

和波:
 ABMのための各自の行動の記録というのは、どうやっているんでしょう。入力作業を負担に感じませんか?

武井:
 負担はそれほどではないですが、忘れがちですし、忘れないように管理するのも手間なので工夫しています。「チャットワーク」をカスタマイズして「ルーチンマン」というロボットを作ったのですが、それが結構いい仕事をするんですよ。定期的にやらなければいけないタスクを各自にバンバン振り、期日までに終わらせていないと毎日アラートも出してくる。

和波:
 それはいいですね。

武井:
 「チャットワーク」はかなりカスタマイズしていますし、他にもいろいろなサービスを使い込んでいます。例えばサイボウズさんの「kintone」にマネーフォワードさんの「MFクラウド会計」を連動させて、会計データがすべてリアルタイムに見えるようにしたり。自由を手に入れるために必要なプロセスを必ず実行できるように、システムの構築にはかなり力を入れています。

コミュニケーションインフラ

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