リーダーの仕事は、社員が共感する「コア・バリュー」の特定と「内発的動機」を高めること

ホラクラシ―:透明性を軸とした経営とは(第6回)

 8年前からホラクラシー的経営を実践してきたダイヤモンドメディア株式会社の武井浩三代表取締役がこれからの経営について様々な方と語り合う本シリーズ。今回は、米ザッポスの優れた経営手法を日本に初めて紹介した石塚しのぶ氏(ダイナ・サーチ代表)に、ご自身が提唱する「コア・バリュー経営」や「大きくなる」ことではなく「偉大な企業になる」という考え方を伺った。

[公開日]

[語り手] 石塚しのぶ [聞] 武井 浩三 [取材・構成] やつづかえり [編] 栗原 茂(Biz/Zine編集部)

[タグ] ワークスタイル 企業戦略 ホラクラシ― 全員参加経営 コアバリュー

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生活者がパワーを持った時代にヒエラルキー型組織は機能しない

武井(ダイヤモンドメディア株式会社 代表取締役 共同創業者):
 石塚さんは経営革新の方法として「コア・バリュー経営」を提唱されていますね。僕も勉強させていただきました。

石塚(Dyna-Search, Inc. 代表):
 はい。私はアメリカに40年以上いまして、アメリカの新しい経営の流れや、優良企業、注目されている企業の動きを研究し、日本の企業に向けてリポートやブログにまとめたり、コンサルティングをしたりしています。

 「コア・バリュー経営」の発端は、2008年にザッポスのCEO トニー・シェイに会ったことです。それまでアマゾン、スターバックス、ディズニーといった大きい企業とも仕事をしてきましたが、当時まだ売上が800億円くらいのザッポスに行って、ものすごいショックを受けたんですよ。あまりにもみんながハッピーに活き活きと、自分の会社に誇りを持って働いているので、「一体なぜなんだ?」とね。それで1週間滞在させてもらい、コンタクトセンターの何十人という社員にインタビューをしたりして、彼らがどんな経営をしているのか見せてもらったりしたんです。それで分かったことを『ザッポスの奇跡』に書きました。

『ザッポスの奇跡 改訂版』ザッポスの奇跡 改訂版

 それが第1フェーズですけれど、その後、「ザッポスってそんなに特別なの?」という疑問も湧いたわけです。そこで私たちは、アメリカ中の企業文化を大事にしている会社だとかその経営者に徹底的にインタビューをして回りました。その結果、やはりそこにはひとつの共通性がありまして、それを『未来企業は共に夢を見る -コア・バリュー経営-』という本にしたんです。

 ポイントは、今までのヒエラルキーのシステムは機能しない時代になっちゃったということです。テクノロジーがすごく発展し、ネットが出てきてソーシャルメディアで人と人がつながり、スマホも出てきた。その結果、今は生活者がものすごくパワーを持つようになっているんですね。この生活者というのは、顧客でもあり従業員でもありますが、そういうパワーを持った人たちに物を売り、一緒に仕事をしていくには、経営の仕方を変えなければいけない。フラットな経営、つまり全員参加の経営をしていかなければいけないのです。

 実際、アメリカではホールフーズだとかサウスウエスト航空だとか、リーマンショックがあっても倒れずに成長し続けている会社は、フラットな経営をしています。全員参加の経営の強さが明るみに出てきて、アメリカでもみんなが注目するようになってきているんですよ。

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