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英国規格協会、世界の金融セクターへの持続可能性の浸透に向け新たなガイダンスを発表

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 英国規格協会(The British Standards Institution/以下、BSI)は、金融セクターの企業・組織における持続可能性の原則を分かりやすく解説するために開発された、新しいBSIガイダンスを発表した。

 これを受けてグリーンファイナンスの専門家は、ESGアジェンダのあらゆる側面にわたって変化を推進するためには、グローバル規模での整合性と協調性が重要であると強調。

 国連の前気候行動ハイレベルチャンピオンであるNigel Topping氏は、ロンドンのブルームバーグでのイベントに先立ち、「変化への道筋は、競争ではなく協力でなければなりません。金融セクターに関わる人々が皆、同じ思いで問題の核心に取り組むことが不可欠です」と述べている。

 Topping氏は、イングランド銀行の気候ハブ部門長であるChrist Faint氏や、国連責任投資原則の最高報告責任者であるCathrine Armour氏らとならび、「持続可能な金融標準規格(BS ISO 32210:2022)」の発表を歓迎する金融エキスパートの1人。この規格は、直接貸付業者と投資家、資産管理者とサービスプロバイダーをはじめとする金融機関が持続可能な形で成果を追求し、サステナビリティの主要原則を業務、活動、製品、サービスに組み込むためのガイダンスになるという。

 世界で適用可能なこの規格は、BSIが国家標準化機構(NSB)の役割の一環として発行したもので、世界の持続可能な金融セクターを取り巻く明確性の欠如に対処するために制定されたとしている。さまざまな法域に数多くの枠組みや規制がある中、これらの原則は、金融機関にとっての混乱を乗り越える道筋を提供することでこの分断に対処し、金融セクター内でより強力なコラボレーションを促進するように設計されているという。

 同規格は、グローバルな金融セクターにおいて、サステナビリティに関する共通の理解と協力を促進することを目的としている。このフレームワークは、不平等、気候変動、環境悪化、貧困、繁栄、平和、正義など、ESGのすべての要素にわたる問題に対処するために、業界の変革が必要であることを明らかにしていると述べている。

 また、金融機関がより持続可能な存在になるために、信頼性の高い一貫した道筋を設定することでグリーンウォッシングを回避できるよう支援。また、国連の持続可能な開発目標(UN SDGs)やパリ協定のような世界的な取り組みと足並みをそろえ、持続可能であろうとする組織のための枠組みになるとしている。

 BSIの規格部門の最高責任者であるScott Steedman氏は、次のように述べている。

「世界規模で一貫性を向上し、より信頼性を高めることを通じて持続可能な金融とは何なのかについての理解を深めることにより、社会に大きな利益をもたらす可能性があります。国際的な規制、枠組み、および規格の複雑な体系を調和させ、整合させ、明確化することは、金融セクター内の組織が変化を加速させ、持続可能性目標の実現を促します。

BSIは、金融機関に何が期待されているのかを明確にし、戦略や業務を異なる規制要件や利害関係者、市場の期待とどのように整合させるかを明らかにすることで、金融セクターがより持続可能となるための支援をいたします。

今回の持続可能な金融に関する新たな規格は、金融業界への信頼を築くと同時に、すべての人に長期的なメリットをもたらします」

 Nigel Topping氏は、次のように述べている。

「私たちが直面している世界的な課題は金融セクターの役割が重要であることを物語っています。変化を新たな言葉で語るなら競争ではなく協力であるべきです。金融業界が皆、同じ思いで問題の核心に取り組むことが不可欠です。

世界に深く関係し、影響を及ぼす問題に対して、規格の果たす役割はこれまで以上に大きくなっています。私はCOP27で、BSIがネットゼロガイドラインに関して成し遂げた作業を目の当たりにして、それが大きな前進であることを実感しました。この新しい規格は変化を促し、世界の金融セクターに持続可能性を浸透させるのに貢献するでしょう」

 BS ISO 32210には、以下のような主要分野に関するアドバイスが含まれているという。

  • ガバナンスと文化:持続可能性の問題に対する責任が企業文化全体に統合されるべきであることなど
  • 戦略との整合性と目的:経営陣が承認した持続可能性の方針または同様の声明の施行など
  • リスクと機会の管理および影響の評価
  • 利害関係者の参画
  • 監視、測定および評価
  • 報告、透明性および保証
  • 継続的な改善と向上心の高揚

 この規格は、金融機関や仲介機関以外にも、持続可能な金融の提供者や受領者、政府機関、官民セクター、事業体、業界団体、金融市場規制当局、監督管理機関など、他の関係者も利用できるとしている。

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BizZine編集部(ビズジンヘンシュウブ)

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