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ソニーグループのデザイン組織が実践する、未来を構想するデザインリサーチ──SF的な未来か、近未来か?

RESEARCH Conference 2023 レポート Vol.3:ソニーグループ株式会社 クリエイティブセンター 前川徹郎氏、大野茂幹氏、尾崎史享氏

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 プロダクトやサービス、UXの「リサーチ」がテーマのイベント「RESEARCH Conference 2023」が2023年5月、東京・九段下で開催された。本稿では、「未来を構想するためのデザインリサーチ」と題して、そのトップバッターを務めたソニーグループ株式会社クリエイティブセンターの3名のセッションを紹介する。SFを用いて長期的な展望からバックキャストで現在必要なものを捉えるリサーチ手法であるSci-Fi(サイファイ)プロトタイピングや、現在の延長線上にある未来を想定するフォアキャスト手法である「DESIGN VISION」などの観点から、ソニーグループのデザイン組織であるクリエイティブセンターのリサーチ手法が語られた。

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ソニーグループのデザイン組織の“守備範囲”

 最初に登場したのは、ソニーグループでクリエイティブセンター 副センター長 コーポレートデザイン部門 部門長を務める前川徹郎氏だ。

 ソニーグループは主に6つの事業領域から構成されており、これらのグループ本社機能に特化した組織がソニーグループ株式会社である。

 クリエイティブセンターはこのソニーグループに所属する組織で、その母体となるデザイン室は1961年に設立されている。初代のデザイン室長はソニー5代目トップの大賀典雄氏だ。

 またソニーグループでは、竹やサトウキビ、市場回収リサイクルペーパーを原材料とした紙素材「オリジナルブレンドマテリアル」を開発。この素材を使用したパッケージは、分別せずに他の紙類と一緒に回収に出すことが可能なため、リサイクルのしやすさにつながっている。 またパンダが食べない竹を原材料に選ぶなど、後述するフィールドリサーチの観点からデザイナーが環境に配慮したデザインにもかなり深く関わっている。

 ソニーグループのデザインはグループ企業だけでなく、社外にも活かされている。その役割を担うのがソニーグループの子会社で、2020年に設立されたソニーデザインコンサルティングだ。愛媛県愛南町が全国一の生産量を誇る河内晩柑(かわちばんかん)の欧州向けブランディングや、情報通信研究機構(NICT)のコンセプトムービー、e-Sportsをテーマにしたエンターテインメント施設や、特許庁関連のI-OPENプロジェクトの企画運営サポートなど、官民様々なプロジェクトを手掛けている。

ソニーグループ クリエイティブセンターのデザインリサーチ
ソニーグループ クリエイティブセンターのデザインリサーチ

 続いて登場したのは、クリエイティブセンター コーポレートデザイン部門プランニング&プロモーショングループ 統括部長の大野茂幹氏だ。大野氏からは主に「デザインワークのためのリサーチ」と「未来トレンド把握のためのリサーチ」について、クリエイティブセンターのデザインリサーチの観点から説明がなされた。

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納富 隼平(ノウトミ ジュンペイ)

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