SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

Biz/Zineインサイト

Coupa Chang氏と小関氏に聞く、世界で注目される「BSM」と日本企業のポテンシャル

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket

 世界的なインフレや新型コロナウイルスなどによる景気後退の影響を受け、各企業がDXとコスト効率改善を重視するようになった。その成功に向けて無視できないのが、BSM(Business Spend Management、ビジネス支出管理)だ。BSMは経費や調達購買といったあらゆる支出に係るデータを統合的に管理して支出の適正化や支出関連業務を効率化することを指し、欧米では大企業はもちろん、中小企業にまで広く浸透している。CoupaはBSM領域でクラウド型プラットフォームを提供するリーディングカンパニーである。BSMプラットフォームとは何か、日本企業での導入の特徴や成功事例を、Coupa Software Inc.のSenior VP、Product ManagementのFang Chang氏と、Coupa株式会社 代表取締役社長の小関貴志氏に編集部が聞いた。

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket

企業の利益に直結するBSMとは

──欧米では既に企業規模を問わず、多くの企業がBSMプラットフォームを導入していると聞きます。なぜそれが注目されているのでしょうか。

Fang Chang氏(以下、Chang):かつて企業は調達や支払い、請求処理に個別のアプリケーションを導入してきました。しかし、たとえば発注と請求に別システムを使っていると、情報を連携させるために多くの手動処理やシステム間を連携させるための開発・運用・維持コストなどが必要になります。手作業においては内容を転記し間違える恐れもあります。請求や支払いを確認する経理担当者が持つ情報が、必ずしも納入されたものと同じではないことも考えられます。様々な面で不具合が起こってしまっていたのです。個別のシステムで対応するしかなかったので仕方のない面もありますが、本来一体となって行われるべきものです。私たちはそこに、包括的なクラウド型BSMプラットフォームという競争力ある提案をしています。

小関貴志氏(以下、小関):かつては右肩上がりで人口が年々増え、いいものを作れば売れる時代もありましたが、今は売上を伸ばすのはそう簡単なことではありません。たとえば利益率10%の企業で1億円の利益を増やすためには、売上を10億円増やす必要があります。それはなかなか大変なことですよね。一方、支出の削減で利益を1億円増やそうとすると、1億円削減するだけで済みます。

 では、実際企業にそれだけの利益を生み出すだけの削減余地があるのでしょうか。支出のうち、間接費は企業の総支出の約10~15%を占めるといわれているのですが、私たちの調査では、「間接材について購買を管理できているとはいえない」と回答する企業が6割を超えています。多種多様な品目があって管理しきれなかったり、仕様や価格が統一されていなかったり、関連部門が多かったりと、様々な要因がありますが、コスト効率を高める余地は大いにあるのです。

──Coupaが提供している包括的なクラウド型BSMプラットフォームとは、どういったものなのでしょうか。

小関:Coupaでは、サプライチェーンデザインから調達、購買、在庫、請求、支払い、契約、サプライヤー(取引先)とそのリスクの管理、財務、社外リソース管理、経費精算、支出分析まで、企業のあらゆる支出とそれに係る業務プロセスをシームレスにつなぎ、匿名化された膨大な「コミュニティデータ」とAIを活用して、購買にまつわる様々な業務の最適化とコスト削減を支援するプラットフォームを提供しています。企業が既に導入している、SAP、Oracle、NetSuite、その他のERPシステムとも簡単に接続でき、すべてのビジネス支出に対して信頼できる情報源とすることができます。

クリックすると拡大します

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
Coupaが重視する2つのコミュニティ

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
Biz/Zineインサイト連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

フェリックス清香(フェリックスサヤカ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング