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事業開発のキー人材“ゼネラリストのスペシャリスト”とは何か、その育成に必要なことは?

立教大学大学院 ビジネスデザイン研究科 委員長 亀川 雅人 氏

[公開日]

[語り手] 亀川 雅人 [取材・構成] 伊藤 真美 [編] 栗原 茂(Biz/Zine編集部)

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「真のゼネラリスト」になりにくい日本企業での“閉じられたキャリア”を、どのように打開すればいいのか?

——ビジネスをデザインできる「真のゼネラリスト」というと、とてもハードルが高く感じられますが、どのようにして目指すべき人材像としてのスキルやマインドを育むのでしょうか。

 まず、自身のスペシャリティについて考える必要があるでしょう。大学で、ある専門分野を学びその道に進んだとして、社会人歴5年ほどで本当に自分に適しているのか見定めることは難しいはずです。苦手なものを避けた結果だったり、なんとなく人に勧められて進んだ道だったり、きっかけは何でもないことが多いです。しかし、長い社会人としての将来を考えれば、様々な経験を得た上で、強みとなる専門分野をつくる方が望ましいと思われます。

 というのも、もともと日本型企業経営の中では、終身雇用のもと、様々な部署を経験してゼネラリストを育てる余裕がありました。一方、米国型では専門分野ごとに配属がなされ、と同時にその部署や仕事が不要になると首切りも当たり前です。だからこそ、常に自らのキャリアを意識し、様々な企業を経験し、時には異なる仕事にも就くことがあります。しかし、バブル崩壊後の日本では長期雇用の慣習は残りつつ、大手企業でも即戦力を得るために、若手でもまずは同じ部門で一定の職能を徹底的に磨くようになりました。その結果、20代後半~30代前半になっても限定的な部署・仕事しか知らず、全体を俯瞰して見ることができない人が増えているのです。

授業風景

 そこで、立教大学大学院ビジネスデザイン研究科では、2年間のうちに多様な受講者や講師陣と交流し、実際にプログラムでも様々な業務の基礎知識を得られるようにしています。1年春学期ではまず、会計やファイナンスなど経営の基礎知識を学びます。最近では財務諸表を読むのが苦手という若手も多いのですが、案外食わず嫌いで、きっかけさえあればすんなり読めるようになりますし、それによって視野も広がります。

 また、経理や財務など事業を数字でしか見なかった人は、経営戦略やマーケティング、そして人材開発などを学び、現場感が実感できるようになります。このように自身の業務分野以外の知識や実感を得ることで、専門用語の壁を越え、実践の場でも意思疎通・相互理解が進み、統合的に事業を推進することができるようになるというわけです。

 1年春学期では個別に不得意な科目を学び、1年秋学期に全員が学ぶのが必修科目の「ビジネスシミュレーション」です。立教大学大学院ビジネスデザイン研究科が「ゼネラリストのスペシャリスト育成」を標榜する上でメインの学びとなるものです。1クラス20~25人が4~5チームに分かれて、授業の前半期で「ビジネスの仕組みと戦略的な経営判断」を学び、後半期では実際に「ビジネスを構想すること」を経験します。2年次は修了研究としてビジネスプランまたは論文を選び、1年時に得た視点をもとに自身の専門分野を掘り下げ、そこを起点とした社会的課題の解決のための修士論文としてまとめます。

カリキュラムカリキュラムは、複数の科目から構成された「モジュール」の集合として構成。
自分自身の関心や修得したい知識など目的に従って、モジュールを選択が可能。

 全体を通して言えるのは、私たちの研究科は単に経営者になる知識を得るためのビジネススクールではなく、事業や組織全体を理解するために共通言語を体得し、それぞれのスペシャリティを活かすための経営知識や考え方を学ぶ場であるということです。ともすれば、欧米型のMBAは“俺が、俺が”のMBAとなりがち。日本の社会の中で新しい社会を切り拓くには、専門と異なる苦手科目を履修することで、異なる相手への理解・共感のもと長所を見つけ、チーム型で課題発見、解決を行う力が求められています。まさにそこにフィットしたMBAといえるでしょう。

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