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「デザインしない」キャリアとその実践者

元Google藤本あゆみさんが語る、「クリエイティブに働ける、生き方の選択肢がある社会」

「デザインしない」キャリアとその実践者:第6回 at Will Work 藤本あゆみさん

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 スキルを磨いてやりたい仕事に就きたい。ポジションや待遇もアップさせたい。そのために、自らでキャリアをデザインすることも大切ではありますが、全く違うアプローチで、自分の可能性を高めることができるのではないか。その問題意識のもと、「デザインしないキャリア」の有用性について、その実践者の言葉をもとに検証していきます。連載第6回目は、グーグルでの営業マネージャー、女性活躍プロジェクト担当のキャリアを経て、一般社団法人at Will Work代表理事を務めている、藤本あゆみさんにお話を伺いました。

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藤本あゆみさんプロフィール

一般社団法人at Will Work代表理事 / お金のデザイン シニア・コミュニケーションズマネージャー
1979年生まれ。東京経済大学コミュニケーション学部卒業後、2002年キャリアデザインセンターに入社。求人広告媒体の営業職を経て、入社3年目に、当時唯一の女性マネージャーに最年少で就任。2007年4月、結婚を機に退職し、グーグルに転職。代理店渉外職を経て、営業マネージャーに就任。女性活躍プロジェクト「Women Will Project」のパートナー担当を経て、2016年5月、一般社団法人at Will Workを設立。

キャリアヒストリー

  • 2002年3月:東京経済大学 コミュニケーション学部卒業
  • 2002年4月:株式会社キャリアデザインセンター入社
    求人広告媒体の営業を経て、当時唯一の女性マネージャーに最年少で就任
  • 2007年4月:グーグル株式会社に転職
    代理店渉外担当、アカウントエグゼクティブを経て、営業マネージャーに就任
    女性活躍プロジェクト「Women Will Project」のパートナー担当を兼務
  • 2015年12月:グーグル株式会社を退職
    一般社団法人at Will Workを設立し、代表理事に就任
    株式会社お金のデザインにて、マーケティング・PR業務に携わる     

多くの価値観に向き合う仕事に学び、女性で最年少マネージャーへ。そして、そこでの大きな挫折。

——どのような学生時代を過ごしていましたか?

 大学には通うつもりはなかったんです。ドキュメンタリー番組の制作をやりたいと、明確に考えていましたので、高校を卒業してそのまま業界に入るか、専門学校に進学しようと思っていたのですが、両親が許してくれませんでした(笑)。中学・高校時代に放送部に所属していて、多くの人に何かを伝えることに興味を持っていましたし、ものすごく長い時間をかけて1時間の番組をつくりあげるプロセスにあこがれていたんですね。結局は、実務を学べる、東京経済大学のコミュニケーション学部に入学しました。テレビ朝日系列の制作会社を紹介してもらい、色々な番組や映像の制作に携わったのですが、ある人の人生や価値観に触れて、それを何とか映像で伝えようとすることに、深くのめり込んでいきました。不規則な生活も苦ではなかったのですが、いざ、就職活動となったとき、ふと我に返って。朝、出社すると、ADの先輩が、機材の包装材にくるまって寝ている(笑)。この光景を見て、「ああ、私の20代は果たしてこれでいいのか…。」と疑問に思ってしまって、就職活動を始めたのです

——どちらの会社でファーストキャリアは歩まれましたか?

 新卒入社したのは、キャリアデザインセンターという会社です。『@type』という転職情報サイトと人材紹介事業を運営している企業ですが、当時は求人情報を掲載した雑誌が主力事業でした。入社理由は、父が人材系の企業に勤めていたことと、人生の大きな部分を占める「仕事」というものに向き合い、人の人生に影響を与える瞬間に立ち会えるのは意義がある、と思ったからです。転職希望者個人に向き合い、転職先の企業を紹介する、キャリアアドバイザーという職種を希望していたのですが、入社3日前に提示された配属先は、雑誌の求人広告の営業職でした。最終面接のときに、社長にあれだけ営業はイヤだといったのに(笑)。

 ただ、この営業の仕事が非常に面白かった。入社したのは2002年で、ITバブルがはじける前で景気も良かった。広告枠をただ単に勧めるのではなく、クライアント企業が持っている強みや価値観を、何とか誌面上で表現しようとしたんですね。このスタンスが、お客様に喜んでもらえたのだと思います。企業が内面に持っている良さを可視化するには、かなり真剣に向き合わないといけないわけです。リピートも増え、新規顧客も獲得できて、思うように仕事が回り、自分自身も成長していく。3年目に、当時、最年少の女性マネージャーに昇格しました。

——最年少女性マネージャーとして、どのようにメンバーに接しましたか?

 ここで大きな壁にぶつかりました。周囲からの期待にまるで応えられませんでした。自分が「できて当たり前」と思っていたことがメンバーができない。必死に教えても、伝わらない。「あなたはいいですよね、何でもできるから」「プレイヤーとしては尊敬できても、上司としては尊敬できません」と何度となく言われました。もう、悔しくて、悔しくて。メンバーそれぞれに向き合って、彼らの成長に貢献しようとはしましたが、うまくいかない。営業として現場を回っていた頃はあれだけ自分の仕事を自分でコントロールできたのに、まったく手応えを感じることができない毎日が続く。計2年弱マネージャーをやらせていただいたのですが、結局、思ったようなマネージャーにはなれませんでした。このときにかかった「マネージャーになりたくない症候群」は、実はこの後にも、大きく影響します。社内結婚の末、他の会社も見てみたいと転職を決意しました。

藤本あゆみ藤本あゆみさん(一般社団法人at Will Work代表理事)

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