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「マーケティング・リサーチの現状に関するアンケート2017」から考えるMRの未来

日本マーケテンング協会主催セミナー『ビッグデータ社会におけるマーケティング・リサーチの新たな兆し』参加レポート

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 2017年7月14日に開催された日本マーケティング協会主催セミナー『ビッグデータ社会におけるマーケティング・リサーチの新たな兆し』での調査報告をもとに、マーケティング・リサーチ(以下、MR)の現状と未来について3回にわたって考察していきます。1回目:主要指標から読み解くMRの現状(今回)、2回目:MRに期待する役割の変化 、3回目:新しいMR手法の実施状況と今後への期待。

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今回の記事でお伝えしたいこと

  1. 最近1年間のMR実施率は80%。実施率の低下もいよいよ底打ちか
  2. MRへの期待度は67%、MRへの満足度は38%と、依然として厳しい状況
  3. 一方で、MR情報の将来における重要度は64%まで増加
  4. まだまだ踊り場からは抜け出せていないものの、登るべき階段は見えてきたかも

主要指標から読み解くMRの現状

 2017年7月14日、公益社団法人 日本マーケティング協会の主催セミナー『ビッグデータ社会におけるマーケティング・リサーチの新たな兆し』に参加してきました。本セミナーは、2年に1度の隔年で開催されており、MR業界関係者が注目する「マーケティング・リサーチの現状に関するアンケート」の調査結果が報告されます。

 本調査の最大の特徴は、アンケートの回答者が企業のリサーチ担当者であること。MRの現状を報告する調査には公益社団法人 日本マーケティング・リサーチ協会が毎年発表する「経営業務統計実態調査」もありますが、こちらは回答者が受注側のMR会社になるためクライアントの実情は推測の域を出ません。そのため、本調査は企業のMRの利用状況やニーズを内側から知ることのできる、大変貴重な報告となります。

 ちなみに、同日、日本マーケティング・リサーチ協会の「経営業務統計実態調査」(2016年度)も発表されましたが、こちらの調査では、日本の市場調査業界の規模は、対前年比107.9%の2,099億円と堅調な成長が報告されています。こちらの調査結果は、同協会サイトに公開されていますので、ご興味のある方はのぞいていただければと思います。

では、話を戻して、ここからは日本マーケティング協会の「マーケティング・リサーチの現状に関するアンケート」の調査結果を考察していきます。


<調査概要>
調査主体:公益社団法人 日本マーケティング協会
調査対象:本協会会員企業およびセミナー等の参加企業のMR担当(*MR専業会社は除く)
調査期間:2017年2月8日~2017年3月10日
調査手法:インターネット・リサーチ
有効回収数:108票


 まず、今回の報告での最大の衝撃は、アンケートの有効回収数が108票まで激減していたことです。前回調査が175票であったことを考えると、実に約6割まで減ったことになります。本件について、調査実施者に直接、質問してみましたが、今回、募集方法や聴取方法を大きく変更した点はなく、単純に回答が集まらなかったという返答でした。

 この結果だけを持ってMRへの期待や関心が薄れていると考えるのは早計かもしれませんが、MRの現状を考えるにあたっての大きな材料のひとつであり、また、調査実施者側においても、今後の本調査のあり方を再考するきっかけになったと思います。

 また、有効回収数108票は、調査の母集団の大きさ(企業のMR担当者総数)を考えると、サンプルサイズが小さく、おそらく大きな許容誤差を含んでいるものと思われます。つきましては、本調査結果は、その点を加味して参照いただく必要がありますこと、ご注意ください。

 加えて、MRの実施状況、期待度、満足度は、これまで定量調査、定性調査に分けて聴取されていたものが、今回から「MR全体」に聴取項目が変更されました。その結果、とても残念なことに過去データとの単純比較ができなくなっています。本件についても、調査実施者に確認したのですが、定量調査と定性調査の境がなくなってきていることを調査設計に反映した結果とのことでした。個人的には、納得のいく返答ではなかったのですが、これ以上、勘ぐっても無意味なので、早速、本題に進んでいきます。

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この記事の著者

山崎 晴生(ヤマザキ ハルオ)

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