茨城県古河市は、全国の自治体の中でもいち早く、LTE対応(WiFi+Cellularモデル)のiPadを導入している。2015年に市内の全小学校23校(一部中学校含む)に対して1,421台のiPadを配備し、基礎学力の向上と21世紀型スキルの育成を目指して教育ICTの活用が本格始動した。
“スマート教育ICT”をキーワードに掲げる古河市では、学校現場の負担を軽減し、低コストで高い稼働率を実現するタブレット端末の運用を推進。これらの実現に向けて必要な教育基盤として、MDMに「MobiConnect」を採用したとしている。
茨城県古河市が、LTE対応タブレットに期待する点は次のとおり。
・教室での授業はもちろんのこと、教室以外の校庭や、社会科見学や町内の探検などの校外学習において、WiFi環境に縛られることなく、幅広く学びの場を提供したい。
・教育ICTの推進において、もっとも重要なポイントとなる校内ネットワーク環境の整備。利用するタブレットがLTE対応モデルであれば安定した通信環境を、最小限の労力で常に利用することができる。
そのような施策に対し、「MobiConnect」が適していると評価された点は次のとおり。
1. 直感的に操作可能な優れたインターフェース
「MobiConnect」の機能である「サービス利用権限管理」を利用すると、委譲された管理者のメニューには必要な項目のみ表示される。学校現場で利用する上で、複雑な設定が多数表示される管理画面ではなく、必要なものだけを表示する「見た目のハードルを下げる」必要があった。
2. 大規模タブレット導入に必要なDEPへの対応
教育行政主導のタブレット導入は、膨大な数の端末を扱います。学校単位での導入の場合であれば、児童の端末を集めて1台ずつキッティング作業(導入時に実施するソフトウェアのインストールや、各種設定を行うセットアップ作業)をすることも可能だが、大規模導入では極めて困難。そのため、児童から端末を集める手間なく、無線ネットワーク経由で簡単にキッティング作業ができるDEP(Device Enrollment Program)や、アプリを一斉配信できるVPP(Volume Purchase Program)の利用は欠かせない。
3. 学校ごとに割り当てられるVPP
学校現場での自立したタブレット運用を目指すためには、教育委員会でアプリを一斉配信するのではなく、学校が現場のアイデアや必要に応じてアプリを自由にインストール・管理できる体制が望まれる。その際に、他の学校にとっては必要のないアプリが表示されてしまうと運用上煩雑になってしまうため、学校ごとにVPPが管理できる体制は必要。
4. 学校と家庭での利用を使い分ける為の「i-FILTERブラウザーオプション」
有害サイトなどを規制するフィルタリング「i-FILTERブラウザーオプション」を導入。将来的には、家庭にタブレットを持ち帰って学習するシーンも想定しており、学校と家庭、それぞれの異なった使い方に配慮し、このオプションを採用した。