デロイト トーマツが発表した今回の調査では、現在の顧客のメインバンクとの関係性について、グローバルでは満足度は63%、支持率は62%となった。一方、日本の顧客のメインバンクに対する満足度は41%、支持率は31%となり、いずれもグローバルの数値を下回った。この結果は調査対象となった17ヵ国中最も低い数字だったという。
銀行サービスの顧客体験は、支店、ATM等の物理的な接点からデジタルチャネルのオンライン、さらにモバイルへと広がっており、本調査ではデジタル利用の観点で顧客セグメントを次の3つに分類している。
- 従来型利用者:デジタルチャネルの利用頻度は低く、支店やATMで大半のサービスを利用。
- オンライン利用者:デジタルチャネルを利用するが、モバイルアプリよりもオンラインを選好。
- デジタル開拓者:デジタルチャネルの利用頻度が高く、モバイルアプリの使用を好む傾向が高い
3つの顧客セグメントの割合を見ると、グローバルでは「オンライン利用者」(43%)が最多で、「従来型利用者」(28%)と「デジタル開拓者」(29%)がそれぞれほぼ同数だった。日本は、調査対象となった17ヵ国の中で、「従来型利用者」(75%)が最も多く、「デジタル開拓者」(7%)は最も少なくなり、日本の顧客のデジタルバンキングの利用が遅れていることが示された。
次図では、世界的に多くの顧客がすでにデジタルチャネルを頻繁に利用しており、デジタルバンキングを受け入れる姿が示されている。オンラインおよびモバイルバンキングを利用したことのある顧客はそれぞれ82%、71%であり、支店(86%)やATM(86%)と比べても少なくない。また、利用頻度は支店やATMを上回っており、月に6回以上利用と回答した顧客はオンラインバンキングが35%、モバイルバンキングが33%である一方、銀行支店は5%、ATMも15%だった。
今回の調査では、顧客のメインバンクとの関係性は、デジタルの活用と相関性があることも示されたという。メインバンクへの顧客の満足度は「従来型利用者」、「オンライン利用者」、「デジタル開拓者」とデジタルチャネルの活用が進むにつれ向上している。次図のように、この傾向はグローバルだけでなく、日本の顧客においても同様だった。支持率も、銀行がデジタル化を進めることが顧客にとって良い影響があることが示されたとしている。