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wizpraが「フィットネス業界におけるNPS調査」を実施

「施設」と「プログラム」の満足度を高める必要があることが判明

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 wizpra(東京都新宿区)は、「フィットネス業界におけるNPS調査」を実施し、このほどその結果を発表した。調査期間は、2014年10月1日~2015年6月10日に実施され、有効回答数は6,764件。

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 フィットネス業界においてNPS(ネット・プロモーター・スコア)を経営指標として用いる企業が増えている。NPSとは、フィットネスクラブ世界最大手の24 Hour FitnessやAnytime Fitnessも活用しており、「顧客推奨度」をもとに計測される。

 この調査では、実際のNPS導入事例をもとに「顧客がすすめたくなるフィットネスクラブ」になるための条件を分析した。売上との相関が強いことが特徴のNPSだが、実際「継続意向」と強く結びついており、批判者と比べ推奨者の方が1.7倍も継続意向が強いことが判明した。

 フィットネス業界の平均NPSは-23%と、全体的にマイナスの値をとり、自社のNPSを向上させるためには「施設」と「プログラム」の満足度を高める必要があることが分析よりわかった。

 さらに推奨度が8点を超えた顧客は、通常の顧客よりも「プログラムの充実」を求める傾向にあるという結果になった。実際とあるクラブでは「クリーニングスタッフ」という清掃担当制度を設け、施設の満足度を向上させた結果、NPSを8%も向上させることに成功した。

■業界平均NPSは-23%とマイナスの値

 NPS調査を行った結果を最大限有効に活用するためには、業界全体や同業他社のNPSと比較して自社がどの位置にいるのかを知る必要がある。今回、調査を行った結果フィットネス業界全体のNPSは-23%、最高は-12%で、最低は-37%であった。

 また、実際にはクラブ(店舗)ごとにNPSを計測することが多く、クラブの平均的なNPSから各クラブの位置を把握する必要がある。クラブ当たりの平均NPSは10.7%であり、最高は38.8%、最低は-60.7%であった。

■推奨者は批判者の1.7倍「継続意向」が強い

 NPSは収益や成長率といったビジネス上のKPIと相関が強いだけではなく、「ブランド好感度」「口コミ指数」「継続意向」などといった数値とも相関が強い。多くのフィットネスクラブが月額制など継続課金モデルであることから、それらの数値の中でも、顧客の「継続意向」が非常に重要になると考えられる。

 今回の調査においては、「今後も継続して利用したいと思ますか?」と顧客に投げかけ、0~10点の評価で継続意向を計測した。

 結果、推奨者の平均点は9.50、批判者の平均点は5.61となり、推奨者は批判者の1.69倍「継続意向」が強いというデータを得ることができた。また、相関分析を行った結果、相関係数が0.64となり、統計学的にも相関が認められた。

■施設、プログラムの満足度向上がカギ

 フィットネス業界においてNPSの向上は、顧客の継続意向に関係することは前述の通りである。それでは、どのようにしてNPSを向上させていくべきなのだろうか。

 NPSの向上要因を特定するため、以下3つの項目に対して調査を行った。

  • クラブの施設や設備に関して(以下、施設)
  • 受付スタッフの応対や振る舞いに関して(以下、受付)
  • ジムのプログラムやトレーナーに関して(以下、プログラム)

 その結果、「施設」に対する満足度と「プログラム」に対する満足度の向上がNPSに大きく影響を与えていることがわかった。

 また、それぞれの顧客に推奨度の点数をつけた理由をフリーコメントで回収し、それらのテキストを分析したところ、「施設」と「プログラム」に対するコメントが多く、推奨度を上げるためには上記2点の満足度向上が必要であることが判明した。

■推奨者を生み出すためにはプログラムの満足度向上が不可欠

 顧客のコメント分類比率を分析することにより、非常に興味深いデータを発見することができた。

 推奨度が8点以下の顧客(批判者及び中立者)は施設へのコメントが多いのに対し、推奨度が9点以上の顧客(推奨者)になるとプログラムへのコメントが多いことが分かった。

 さらに、コメントの種別をポジティブとネガティブに分類し、ポジティブなコメントについて分析を行った。その結果、推奨度の高まりとともに施設に対するポジティブなコメントは減少し、プログラムに対するポジティブなコメントは増加している。

■NPS導入の背景

 これから紹介するある企業では、以下の理由からNPSを採用することを決定した。

 ・顧客満足度より評価が厳しい指標である点:顧客満足度は、サービスが一定の品質を保っているかどうかを判断する指標としては有効だが、顧客の期待を超え、顧客に対して「感動」を与えることができているか、つまり継続して使用したいと思うほどの「ロイヤルティ」を生み出しているかを判断することが難しかった。そのため、NPSを計測することでロイヤルティを数値化しようと考えた。

 ・シンプルな質問設計が可能である点:NPSは「究極の質問」とよばれる1つの質問をすることにより、ロイヤルティを計測できることから、質問項目を大幅に削減することができる。同社においても回答数が集まりにくいという問題を抱えており、回答によるストレスを軽減することを目的としていた。

■NPS調査から見えた課題

 同社のあるクラブでは、「wizpra NPS」(NPSの調査分析を行うクラウドサービス)を使用し、NPS調査を実施した。

 NPSの向上要因を明確にするための質問を設計し(効率的な分析のために質問設計は非常に重要である)、これまでの紙媒体による回答集計に加えてwebからの回答も受け付け、良質な回答を増加させた。

 その結果、顧客の推奨度を向上させるためには「施設の清潔さ」が改善ポイントであることを突き止めた。

■サービス品質を向上させ、NPS8%向上を達成

 NPS調査から見えた問題点に対し、彼らは「クリーンスタッフ」という清掃を担当するスタッフを新規に配置するという対策を講じた。施策の効果を検証すべく、館内の清掃状況に関して調査を行ったところ、「改善された」と感じた顧客が51%にも及び、同クラブは施設に対する満足度を向上させることに見事成功した。

 その結果として、クラブのNPSは8%増加し、施設の満足度を向上させることがNPS向上に影響を与えることを証明した。

■調査結果まとめ

 今回の調査からは以下のことが導かれた。

  1. フィットネス業界において、NPSを向上させることは顧客の「継続意向」を向上させることに直結する。
  2. 顧客の推奨度に特に影響を与えているのは「施設」と「プログラム」の満足度である。また、推奨度が9,10点の顧客、すなわち推奨者を生み出すためにはプログラム満足度をより高める必要がある。
  3. NPS向上に当たっては、NPS調査の分析結果から得られた課題を解決し、再度NPSを計測するというPDCAサイクルを回すことが必要である。

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