本契約は、10月2日に同研究科が開催した集中セミナー「研究開発の現場を知るーキャリアデザインの前に知っておくべきこと」でFRONTEOライフサイエンスAI CTO 豊柴博義氏が講義を行った際に、加納教授が大学院での授業における「Amanogawa」活用へ関心を持たれたことをきっかけに実現したものだという。
論文探索における課題に、キーワード検索だけでは、調べたいテーマについて論じられた情報の十分な検出が難しい点が挙げられる。これは、論文の記述の中で、1つの用語が複数の異なる意味で用いられる場合や、逆に同じ事象や現象が同義語・略語などを含む様々な表現で記述される場合があるため。「Amanogawa」では、検索にベクトルを用いることで、研究テーマに関連する論文を網羅的に検出し、さらにそれらの論文が概念の類似度に基づきマップ上で表示され、相関等が可視化されるため、必要な論文を俯瞰的に把握することが可能となる。加納教授がこの点を高く評価し、今回の導入に至ったと経緯を述べた。
「Amanogawa」は、講義「医療イノベーション俯瞰演習:研究分野を俯瞰し、自らの関心事項の世界における位置づけを明らかにする」で使用される予定だという。
Amanogawaについて
「Amanogawa(商標・特許出願中)」は、FRONTEO独自のAIエンジン「Concept Encoder(登録商標:conceptencoder、読み:コンセプト・エンコーダー)」を搭載した論文探索AIシステム。研究者が興味のある単語や仮説などの文章を入力すると、PubMedに掲載されている大量の論文から、「Concept Encoder」が入力内容に関連する論文を瞬時に検出。
検索結果は論文同士の類似度によってマップ状にプロットされるため、一目で関連性を確認でき、マップ上に検出された論文情報をドラッグして絞り込み検索をするなど、今までになかった視覚的な論文探索が行える。さらに、検索結果を関連性の高い順に並べ、それらのアブストラクト(概要)を一覧表示することができるため、論文探索が大幅に効率化される。これにより、人では気付きづらい視点からの事象や新薬ターゲットなどの発見が可能となるのだという。
PubMedとは、生物医学領域の論文を検索できるデータベース。NLM(米国国立医学図書館)内のNCBI(国立生物科学情報センター)が作成。