「ジェネレーティブAI」とは
2022年6月、「文章を入れるだけで画像が生成される」という革新的にわかりやすいUXに加え、これまでの画像生成AIに比べて、精度、品質、表現が桁違いの性能を持つ「Midjourney」が世界中で話題になりました。8月末にアメリカのコロラド州で開催されたアートコンテストのデジタルアート部門で1位を獲得した作品が、「Midjourney」で生成された作品であることが発覚し、世界に衝撃を与えたのです。
また、8月には「Stable Diffusion」と呼ばれる画像生成AIが登場しています。「Midjourney」では表現できなかった画像を生成できることから、「Stable Diffusion」もまたSNSを中心に爆発的に盛り上がりはじめます。
これらの高性能な画像生成AIだけでなく、文章生成AI、動画生成AI、コード生成AIなど、クリエイティブ性の高いコンテンツを生成する技術を総称して「ジェネレーティブAI」と呼び、注目度は日増しに高まっています。
では、「ジェネレーティブAI」はこの数年注目されてきているAIと何が違うのでしょうか。
Apple、Google、Zoomなどの企業に初期段階から投資してきた世界的にも有名なベンチャーキャピタルのセコイアキャピタルは、ブログ「Generative AI: A Creative New World」にて、「ジェネレーティブAI」を、詩を書く・デザインする・コードを書くなど、クリエイティブなタスクを得意とするAIだと定義しています。それに対して、データ予測・スパム検出など、一般に「AI活用」で想起される機械的タスクを得意とするAIを「アナリティカルAI」と定義しています。
これまで、単純作業やデータ処理がAIに代替される仕事であって、アートやエンジニアリングなどのクリエイティブな仕事はAIに置き換わることはないと考えられてきました。しかし、この数ヵ月でその認識が大きく崩れようとしています。