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人工知能社会論からの考察

第5の科学である「AI駆動型科学」の誕生

第2部 第1回:人工知能による科学研究の加速

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「第5の科学」は、すでに始まっている

 20世紀の後半には複雑系の研究がさかんになったが、未だに根本的な糸口が見つかっていない。それは人間の「認知能力」と「脳の作業記憶容量」を超えてしまうほどの情報があるからだろう。データからの法則性の発見、さらに仮説生成の自動化が加われば、複雑系科学研究においても変革が起こるはずだ。このインパクトは基礎科学にとどまらず、例えば実業では新製品の考案や新規市場の開拓なども仮説生成と検証のサイクルで成されており、産業構造自体にも大きく影響するであろう。

 AIを利用して仮説をいかに効率良く立てるか、仮説生成を加速させるかが今後重要となる一方で、科学的発見のすべてのプロセスに渡りAIがサイクルを回す(サイエンスの自動化)ことも、第5の科学における焦点である。

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高橋 恒一(タカハシ コウイチ)

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