テレワーク難民を救う
ブイキューブが販売を開始する「テレキューブ」はテレビ会議などのITサービスと防音性の高い空間スペースを統合した製品で8月1日より企業向けの販売を開始する。
企業のオフィススペースに加え、オフィスビル/サテライトオフィス/カフェ/商業施設/公共施設/鉄道の駅/空港などへの設置を想定している。第一弾として企業向けモデルの提供を開始し、今後はモバイルワークのビジネスパーソンが利用可能な一般向けモデル(屋内設置モデルや屋外設置モデル)の提供も進めていくという。当初目標売上は初年度2億円、100ヵ所の設置を目指すという。
8月1日の発表会において、ブイキューブ代表取締役社長の間下直晃氏はこう語る。
「テレワークを導入する企業の生産性は1.6倍と高くなる。しかし欧米に比べ日本においては普及が遅れている。一番の問題はテレワークが出来る場所や環境がないこと。コミュニケーションをとる場所に悩まれている方が多い。こうした“テレワーク難民”を救いたい。」(間下社長)
在宅でおこなう場合はプライバシーへの配慮も必要。オフィスでもWeb会議をやるにしても周囲への配慮から会議室で行うケースが多い。ブイキューブはこれまで、TV会議/Web会議のシステムを提供してきたが、社内の場所に悩む企業も多かったという。
また、カフェなどでおこなう場合も、音声や画面が周囲に伝わってしまう関係で、周囲に気兼ねなく話ができ、かつ秘匿性のある情報を取り扱える場所が少なかった。こうした課題から、開発に踏み切ったという。
テレキューブの機能
テレキューブは、テレビ会議サービスが利用できるコミュニケーションデバイスと、防音性の高い空間スペースをパッケージ化している。プライバシーとセキュリティが保護された環境で、テレビ会議や電話での応対に加え、クラウドサービスを活用した作業が行える。防音仕様により、周囲を気にすること無く静かな環境で、集中して作業するワークスペースとして活用可能となる。特にセキュリティの面では、情報セキュリティの面だけでなく、「公共スペースに設置させれる場合の安全性」(間下社長)にもかなり配慮しているという。
スペース内部には、レノボ・ジャパンの小型デスクトップPC「ThinkCentre M710q Tiny」が設置されており、タッチ操作で利用できる「TELECUBE App」によって、ブイキューブが提供するテレビ会議サービス「V-CUBE ミーティング」とマイクロソフトの「Skype for Business」、標準規格に準拠した一般的なハードウェア型テレビ会議システムとの接続機能が利用できる。今後法人を中心に販売を行い、2020年には5000台の普及を目指すという。
第一弾は企業向けの提供となるが、その後一般向けモデルを提供する。企業向けは、利用者が限定されるため、施錠や課金の機能は持たない。今後開発予定の一般向けモデルでは、空調設備、監視カメラ、防塵・防水などの機能を持たせる。また屋外での利用の可能性も検討しているという。
テレキューブコンソーシアム設立
テレキューブの発表にあわせ、「働き方改革」とテレワークの推進を目的とした「テレキューブコンソーシアム」が設立された。
理事長は、プラチナ構想ネットワーク会長で元東京大学総長の小宮山宏氏が務める。
「人生100年時代になり、働くことの意味は大きく変わる。これまでの制度、ハード面のインフラは古い工業化社会の時代のもの。今後はより自由な働き方で、もっと高いクオリティ・オブ・ライフが追求される。テレキューブの普及がプラチナ社会の実現を可能にするだろう」(小宮山氏)
会員企業は現段階で下記の通り。
<テレキューブコンソーシアム 会員企業> ※五十音順
・株式会社アイ・オー・データ機器
・アイ・ティー・エックス株式会社
・インフォテリア株式会社
・株式会社NTTドコモ
・株式会社岡村製作所
・株式会社樹楽製作所
・サイボウズ株式会社
・綜合警備保障株式会社(ALSOK)
・大日本印刷株式会社
・東京電力ホールディングス株式会社
・一般社団法人 日本テレワーク協会
・日本マイクロソフト株式会社
・株式会社ノジマ
・株式会社パソナ
・株式会社ブイキューブ
・森ビル株式会社
・株式会社リクルートホールディングス
・株式会社リコー
・レノボ・ジャパン株式会社