SHOWROOM前田裕二氏が語る、コンテンツにおける二つの“面白い”
渋谷修太氏(フラー株式会社代表取締役CEO、以下敬称略):エンタメのプラットフォームやコンテンツにおいてヒットのカギは何でしょうか?
前田裕二氏(SHOWROOM株式会社 代表取締役社長、以下敬称略):コンテンツを見たユーザーが“面白い”って言っているのをよく聞くじゃないですか。この“面白い”は二つに分類できて、一つは“共感”、もう一つは“落差”です。
最近ヒットするエンタメには「〇〇なのに、〇〇」という落差があります。例えば、現在ヒットしている『カメラを止めるな!』も、「制作費が300万円なのに、おもしろい」なんです。
ではなぜ落差が必要なのかというと、コンテンツをヒットさせるためには“拡散”が必要になるからです。人は、意外性・落差を見て拡散したいと思うのです。だから僕もコンテンツを作るときは落差を意識しています。
渋谷:SHOWROOMで意識している落差は何ですか?
前田:SHOWROOMでは“偶像”と“身近”です。SHOWROOMはコンテンツではなくプラットフォームを作っており、提供しているのは「出演者は偶像と思っていたが、すごく身近」という仕組みです。
偶像だと思っていた人を身近に感じると「アイドルなのにこんなに親しみやすいんだ」と心が近づきます。その仕組みを僕らが間接的に設計しています。SHOWROOMの出演者20万人全員に台本を渡しているわけではなく、ファンにそう思ってもらえる仕組みをつくっているわけです。