これまで、外国送金業務の事務処理は、SWIFTコード、銀行名、都市名、通貨、金額などの情報が自由文で記載されている外国送金依頼書を基に仕向先銀行の判定をしていた。担当者は、複数の資料を参照しながら仕向先銀行や経由する銀行を判断する必要があり、大量に処理をするためには時間を要していた。そのため、みずほ銀行では、仕向先判定に要する時間を短縮し、業務効率化、事務コスト、教育コストの削減に対する取り組みが求められていたという。
今回運用を開始したシステムは、みずほ銀行が持つ実際の外国送金の依頼内容を学習データとし、Watson Knowledge Studioで作成したモデルをIBM Watsonの自然言語処理に利用している。それによって、自由文で記述された多様な送金依頼書から、銀行名や国名、都市名、SWIFTコードなどを正確に把握し、受取人の取引先銀行を特定、また有識者のノウハウを取り込んだロジックに沿って仕向先を自動的に選定している。
みずほ銀行と日本IBMは、業務有識者とAIのエキスパートが一体となって、実開発期間約3ヶ月のアジャイル開発を行い、スピーディーにシステムの運用開始を実現した。
みずほ銀行は今後、AIの機械学習による回答精度をより向上させていくともに、RPAとの連携による完全自動化も視野に入れていくとしている。