2020年秋をめどに、25億円規模の1号ファンド「fermata Fund」を始動させる予定。Femtechとは、女性の健康課題を解決する為に開発された、テクノロジーを使用するソフトウェア、診断キット、サービス、およびその他プロダクトのことを指し、Woman’s Healthcare Techと表現されることもある。2012年ごろに誕生した新たな産業で、全世界での投資額はこの7年間で約60億円から約750億円まで成長。女性の社会進出が進んだ欧米だけではなく、今後は、アジア・アフリカでの急成長が期待できる新たな産業だという。2025年の市場規模は5兆円と予想されているが、全世界の女性の人口が35億人と考えると、それ以上の拡大も期待されると見方もある。
2019年10月にスタートしたfermataは、女性の活躍を支援するテクノロジーの社会浸透を加速させ、多様性のある社会を実現していくコミュニティ育成&スタートアップ支援エコシステム。チームは、医療、パブリックヘルス、ビジネス、デザイン、マーケティングなどの専門家で構成されており、国籍も様々だという。市場調査から本格マーケット参入だけでなく、ユーザーコミュニティとの接点まで提供し、Femtech企業の事業成長をサポートしている。
fermata Fund設立の背景にあった課題は、Femtech業界も含めた新たな産業へは、資金調達が困難であるということだ。「女性の健康」は、未だ社会的にタブー視される傾向が多いジャンルあるため、世界のFemtech関連事業に対する投資は、ヘルスケア分野全体への投資額の約1.4%にとどまっているのだという。また、ヘルスケア専門のキャピタリストであっても、Femtechへの投資経験があるのは約20%であるとも言われている。
出資予定企業(2020年2月時点)
- Lady Technologies(米):妊活デバイスを開発
- Come&gone(米):衛生用品を製作、販売