調査会社Harris Pollの協力のもと、ZuoraのSubscribed Instituteが12ヵ国13,626人の成人を対象にオンラインで実施した調査では、実際の製品(モノ)を所有するよりも、サブスクリプションサービスの利用を好む消費者の志向傾向が強くなっていることが示された。
サブスクリプションサービスの利用が増加
各国回答者の78%が現在サブスクリプションサービスを利用しており、75%が将来的にはより多くのサービスを利用するようになり、実際に「モノ」を所有することは少なくなると答えている。
サブスクリプションはブランドとのつながりを強める
サブスクリプションサービス利用者の64%は、一度限りの取引で製品を購入する企業より、ダイレクトなサブスクリプション体験を提供してくれる企業とのつながりを強く感じている。
消費者は利用した分に応じた支払いを好む
各国回答者の72%は、定額料金よりも自分の利用した分だけ支払う形態の方が良いと回答している。
サブスクリプションのメリット上位は、利便性、コスト節約、バラエティだった。製品を所有する代わりにサブスクリプションサービスを利用することのメリットでは、トップが利便性(42%)、次いでコスト節約(35%)、バラエティ(35%、2018年の32%からアップ)と続いた。
消費者のこのようなライフスタイル志向が急速に強まったことは、サブスクリプションビジネスの成長に起因している。サブスクリプション・エコノミー・インデックスでは、2012年1月の統計開始以来、サブスクリプションビジネスによる影響を業界別に分析し、SaaS、IoT、製造、出版、メディア、テレコミュニケーション、教育、医療、ビジネスサービスといった業界において、サブスクリプションビジネスとS&P 500企業のベンチマークとを比較してきたが、成長率は437%に達した。
2020年だけを見た場合、Subscribed Instituteの調査結果は次のとおり。
サブスクリプションビジネスの収益が売り切り型製品ベースの同業他社の収益を上回る
昨年、SEIのサブスクリプション企業の収益成長率は11.6%、一方S&P 500の売上高は-1.6%減少している。第4四半期だけ見ると、サブスクリプションビジネスの収益成長率は21%で、S&P 500企業の成長率3%の7倍のスピードだった。
サブスクリプションサービス利用者あたりの収益率は、2019年を上回る
サブスクリプションビジネスの1ユーザーあたりの平均収益率は、2019年第4四半期の14%に対し、2020年第4四半期は18%だった。この成長は、SEIのサブスクリプションビジネスが顧客とのリレーションシップを深め、時間が経過しても価値が高まるサービスを提供していることを示している。
SEIのサブスクリプション企業は各地域の株式市場と比較して好業績
2020年第1四半期、ロックダウンと各種の安全策がサブスクリプションの収益成長を鈍化させたように見えた(APACでは収益と契約数が同程度)。しかし、第4四半期の再ロックダウン時は、サブスクリプションの収益成長は加速し、サブスクリプション企業が提供製品・サービスを効率よく迅速に適応させたことを示している。