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DNP、再生医療や創薬への応用が期待できる立体臓器「ミニ腸」の試験販売を実施 

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 大日本印刷(以下、DNP)は、再生医療や創薬への応用が期待できる、生体の腸に近い特性を示す立体臓器(ミニ腸)の試験販売を実施すると発表した。

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 ミニ腸とは、ヒトiPS細胞より誘導された長径1.5mm以上の球状の構造をした細胞。DNPは2017年に、国立研究開発法人国立成育医療研究センターと共同で、試験管内でのミニ腸の創生に成功しており、今回はミニ腸を研究用途で提供するという。

 ミニ腸は、臓器の中でも複雑な構造・機能を有している腸管をヒトiPS細胞から試験管内で創り出し、生体の腸に近い機能を有している。ミニ腸の生成には、印刷プロセスで培ってきた微細加工技術や精密塗工技術などを応用・発展させたDNP独自の「薄膜多層パターニング技術」を活用しているという。この技術で作った特殊培養器材の上にヒトiPS細胞を配置し、パターニングされた領域で成長・分化させ、約60日間かけて長径1.5mm以上のミニ腸を作製する。

ミニ腸の特徴

1.ヒトの小腸に近い立体臓器

 ミニ腸は、複雑な構造、機能を有しているヒト腸管をそのまま小さくした立体臓器。腸上皮細胞だけでなく、筋肉細胞や神経細胞を有しており、筋肉の収縮によって消化した食べ物を移動させる「蠕動(ぜんどう)」運動や物質の吸収・分泌といった生体の腸に近い機能を有している。ヒトの下痢や便秘の際に使用する薬剤に対して、生体の腸と同様に反応することが確認されているという。

2.実験の評価がしやすい構造

 通常の腸は栄養を吸収する上皮が内側にあるのに対し、ミニ腸はその上皮が外側を向いている特徴がある。栄養を吸収する上皮とそうでない部分が明瞭に分かれており、上皮から吸収した栄養分などを内部に貯めることができる。ミニ腸の上皮が外側を向いているため、薬などの効き目を評価する吸収試験に適した構造になっているという。

3.実証試験がしやすいミニ腸の特性

 DNPが提供するミニ腸は、長径1.5mm以上と、実証試験に使用しやすいサイズとなっている。また、ミニ腸の到着後には別途培養する必要がなく、さまざまな実証実験に利用することができる。

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BizZine編集部(ビズジンヘンシュウブ)

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